第20話 火打石
「じゃあ、何ができるんだね」
「あの〜、他にどんな仕事がありますか?」
「ここは見ての通り太物屋じゃ。読み書きができなきゃ、客の相手も無理じゃな。あとは掃除とか台所じゃな」
「では、台所を手伝わせてください」
「おお、飯は炊けるか。菜は作れるか?」
そんなわけで台所を手伝うことになった。
しかし、それは思いもしない苦行だった。
朝、ご飯を炊こうと火をつけた。それが間違いの元だった。新米だから一番先に起きて火をつけたのだが、持っていたマッチで火をつけたのだ。後から女中頭がきて言った。
「親、感心だこと。火打石のあるところがよくわかったね」
「あ、はい。ちょっと探しましたが(やばい。バレないかな)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます