転移魔法使いは最弱です。

菊池 ノリダ

第1話異世界召喚はメールから

「あー月曜何か滅べば良いのに…」

大木 正人まさと20歳、高校卒業後に

地元近くの工事に就職。一年と半月が過ぎ、

仕事になれ始めたゴールデンウィーク最終日、日曜日の夜の呟きである。

「はぁ…行きたく無くても仕事に行かないと行けないなんて…社会人つれぇ…」

チラッとパソコンに表示されている時間を

見る。11時30分と表示されている。

ああ、今日が終わってしまう…明日から

また仕事漬けの日々がきてしまう…。

もういっそ仕事休んで自分探しの旅に

出ようかなー。

「まあ、そんなお金も無いんだけどね!」

一人暮らしのアパートに悲しい独り言が響く

(仕方無いだろ!一人暮らしの男なら大抵独り言を言ってる!)

ナレーションにツッコミを入れないで欲しい。大体一人暮らしの男が独り言を言うのが当たり前なんてフィクションの中だけなのでは?

(当たり前とまでは言ってないぞ!まあ、多少独り言が多くても仕方無いよねってニアンスだよ!)そう、むきになられると余計に悲しくなるのであった

(はあ、脳内ナレーションで客観的に自分の評価するとか、どんだけ寂しいんだよ…)

仕事きついな…仕事変えようかなー

(例えばゲームクリエイターとか)

座り仕事なら楽だ思ったか!シナリオ書けない、プログラム分からない、そんな自分がいきなり会社に来たらまず間違いなく、ふざけるなと怒られる。俺なら直ぐに追い出すつまり無理。

(なら公務員)

高校の成績はオール2の底辺で勉強は死ぬほど嫌いだ。無理

(総理大臣)

現実見ようぜ、第一なんかめんどくさそうだし。

「…つまり…普通にはたらけと…!」

そうだよ!

「あーですよねー」

ナレーションに諭される俺

「菓子でも食うかな…」



「いっらしゃいませー」

深夜のコンビニの店員の声が聞こえる。

まあ、コンビニ来てるから当たり前である

(はあ、菓子食べようかと思ったらもう在庫無いとはなー)

そんなこんなで深夜に出かけてお菓子を買い漁る男

が一人、我慢しろともしくは寝ろと言いたい。

(しかし仕方なかったんや、もうお菓子食べるモードだったし、食べたら寝ようと思ったし、食べなかったら寝つき悪くて仕事に支障きたしそうだし!)

深夜に出かけてお菓子買って食べるのは仕事に支障

はでないと?

(出ますね!)

はぁー駄目な奴だな!

…なんかさっきから1人ツッコミしてて悲しいな…

お菓子を買ってさっさと帰ろ。レジにならんで会計を済ませてからコンビニを出る。

夜の小道を歩きつつスマホを弄る

普通にアウトな歩きスマホである。

まあ、家に着くまで10分位の間位良いだろー

適当にトップニュースを見つつ歩く

「あーもう一時過ぎてるじゃん…」

だらだら立ち読みしてからコンビニ出てるから

当たり前である。家に付けば菓子を食べて寝るだけ

それが、嫌で先延ばしにして結局明日後悔するのである。(わかっちゃ居るんだがなー、はあ仕事したくねぇ、何か起きねぇかなー)

まあ、起きないけどな!

「くっ現実は厳しいな…後ナレーションも」

自分の思考に悪態を突きつつ、ふっと目に入った

ニュースを見る、ページを開きつつ思考する。

「異世界からの招待メールの真贋ねー」

それは最近噂になっている話題である。

なんでも発端は、何処かのブログらしい

『何か、異世界から招待メール届いたwww』

とかの始まりだった、そこからは検証したみよう

見たいな感じで更新されていく

丁寧にスクショも、まじりつつ考察されている

概要はこうだ

1、差出人、アドレスが空欄の謎のメールが届く

2、最初の文に「貴方は、異世界に来る権利を獲得しました!」と書いてあること

3、続く文に「貴方は、異世界に召還されその世界を救って貰いたいのです。そのための力を用意いたします、また欲しい力があれば入力の上最後の選択に答えて頂ければ最大限考慮して力を付与いたします。」と明らかなチート用意してますと安易に釣っている

4、注意事項と書かれている項目に「また、欲しい力を入力しなくも此方の方で適正を考慮した上で、適した力を付与させて頂きます。」とあり別に必ず記入しなくても良い、むしろ適正を見てから力を付与するなら入力しないほうが、自分に合った力が手にはいるだろう。まあ、適正が必ずしも良いとも言えないとは思うけど。

5、ここが一番大切かつ重要な事が書いてある。

「また、世界を救って下さった暁には神様よりどんな願い事も叶えて下さいます。また付与された力はそのままお使い下さい。そしてここまでの全てに同意されたなら、最後の選択に参ります。

その前に最後の注意事項です。異世界に行かれた場合、この世界での貴方様記録は無くなります。

人が居なくなるためにその辻津を合わせるために

貴方様が生まれ事実から改変させて頂きますのであらかじめご承知下さい。以上を含め全てを理解した

上で最後の選択です。異世界に行きますか?」

yes

no

これがこのメールの概要である、これを書いている

ブログは何個か存在していてその真贋を巡って議論されている。まず問題なのが差出人やアドレスが表示されないメール何て届くのかと言うこと、

平凡な一般人の俺には無理そう…としか思えないんだよなーチート能力くれるのは良いけど果たして世界を救うとは何ぞや?定番なら魔王を倒してとかになりそうなのに救ってくれと言う。つまり何か倒すとかでは無い可能性がある。いやむしろ何か倒してはい終了じゃ、救うって条件を満たせない方のが可能性が高い。しかも何でも叶えてくらるらしいし

かなり条件厳しそう…んで記録が無くなるとつまり過去を気にせず進めって事だと思うけど、かなり嫌だ家族や友人からも忘れられるとか、ちょっと無いわーまあ、このメールが本物ならね

このメールに関して注目が集まっているのは件のブログのせいである。

なんせ途中で更新止まってますからね!

もうねそこで寸止めかよぉぉ!と叫びたくもなりそうな所で止めてるんですわ。

最後の質問までこのブログの人なりの考えがいくつも挟まっていて読みごたえがあるんだけど、このブログの人は「せっかくなのでyesを押すぜwさて何が起きるかなw」見たいな乗りで押したらしい。

何故ここで押したみたいなどの疑問計になるかと言うとこの後パッタリ更新が止まってしまったのである。つまりyes押した結果が分からないのでホントか嘘かが判断出来ないのだ、通常ここまで書いてる人なら結果も乗せるのが普通である。しかし一向に更新されない。何処かのページに飛ばされたとか、詐欺だったとかウイルスが入ってたとか何かしらあればそれを書いてネタにすれば良い。何も起きなくてもそれはそれでネタにはなる。だから更新しないのは、何かしら原因があって更新出来ないのだろう

と推察されている。問題はこの原因である、

ある人は誘拐されたんじゃね?と良い

ある人は急な病気で入院してんじゃね?と良い

ある人は急に更新するのが嫌になったんじゃね?

と言い

ある人は更新してる端末が壊れたんじゃね?と言い

ある人は本当に異世界に行ったんじゃね?と言う

色々突っ込み所はあるが、じゃね口調は俺のかってな想像です、はい

え、どうでも良い?そんなー

話を戻そう色々考察されているがこれには本当に不思議な事が分かってる。まずこのブログ主の名前が分から無い。本名は当然だとして投稿者のハンドルネームすら分からないのである。ブログ事態はある。ハンドルネームが空欄だが見る事も出来る

しかし誰が投稿していたかは分からないのである。

ブログを管理しているサイトも誰が投稿していたかも分からないらしい。何か自称ハッカーの人も全然情報が掴めないと嘆いていた。因みに上司である

一体何やってんだあの人…本当にハッカーかも怪しいけど、しかしネット上の人たちもこのブログについての情報が集まらないと嘆いている。しかもどうやらブログをフォローしてた人たちはフォローリストに空欄があり名前と名前の間の空欄を押したら

このブログに飛ばされたらしい。もういっそ投稿主が名前を空欄に変えたんじゃ無いかと疑うレベルである。しかし誰もこの

つまり名前を、変えたにしてもフォローしている人は誰が変えたか分からないのだ、記憶にある人は皆ちゃんと居ると、複数人が発言している。

複数人が「」と発言しているのである。この事で噂に拍車がかかっている。だから本当に異世界に召還され、記憶が無くなっているんだ!とそんな意見が多くなる。

さてこんな話題だが此所で終わるなら多分すぐに

薄れたんだと、思う。しかしこの後から同様のメールが来たと、言う人たちが続出しているのである。

しかもこのメールに、noと答えた人が言うにはnoを選択した、途端にメールフィルダーが落ち、メールが残って無いらしい、そもそもこのメール事態、急にメールフィルダーが起動して勝手に表示されるらしい。極め付けは専門の業者にデータの復元に行っても存在せず、復元出来ないのだと言う。

話だけ聞けば遠隔操作されたとしか思えない話だ。

しかしこの話はそれだけでは終らない

何でも電源が落ちてる状態でも起きたらしい

その人が言うには充電が切れて家にかえる途中で

急に起動してメールが表示されたらしい、何だと困惑しながら画面を見て唖然としたんだと

充電の表す電池残量は0%しばらく見つめて居ても消えずに映り続け、さらにはスクショも取れたらしい。もう意味不明だが件のスクショも上がっているので疑う人も少ない。因みにこの人はno派で

やはりメールが消えたらしい。次いでにスマホの電源もnoを押した途端に落ちたみたいである。

と中々に不思議現象が起こっており、ちらほらネットにyesを押すぜと言っていた人たちは、

ふと、思案やめスマホから目を離して周りを見てみるといつも道理の道がやたらに不吉に見える

俺…ホラー苦手なんだよね…

やべぇ…何か背筋が寒くなってきた!

まあ、まて落ち着くんだ俺大体この話はホラーでは無く異世界もの何だ!怖くなーい怖くなーい!

ふぅ、年甲斐も無くびくびくしてしまった。

色々考えていたがこの話一種の都市伝説的な

扱いである。普通に考えて何で記録が無くなるのに

ブログやらが残ったままなのかと突っ込みが入るのがいつものパターンである。俺も完全に信じてるわけでは無く、異世界があったらいいなー程度である

大体記録が無くなりますって結構キツイ別に俺家族中は悪くはないし、年下の幼馴染(男)もいるし、彼女は居ないし、友達も少ないし、仕事はきついし、

…あれ可笑しいな涙が出そう…

ぶっちゃけこの記録が無くなるってのはかなり厳しい条件だと思う。この一事でyesと答える人が少なくなるだろう、万人がそうだとは言わないが大概の人は家族や友人、恋人など大切な人が居るだろうし、記録が無くなるなら是が非でも行きたいぜ!

って人のが少ないと思う。しかし何か間抜けな感じではあるよなーこれ考えた人

別に記録無くなるとか書かなくても良いのにわざわざ不利な条件を書くあたり、誠実なのか、抜けてるのか天然なのか分からんけども俺は好感が持てるな

それにこれ何とかする方法も一応あるしね

世界を救った報酬で、記録を戻して貰えばいいんだしな。そう思えばチートな能力はそのままらしいし

何か得する能力にして世界救えば、損害なくしかもチートも手に入ってうはうはなのでは?

なるほどなら話は早いな!

「そうだ、異世界に行こう!」

夜の帰り道に独り事が木霊する

そして

「ピコン」

と音がなり

「え、」

マナーモードのスマホの出す音に

反応して画面を見て

メールフィルダーが動き

そのメールが開く


「貴方は、異世界に来る権利を獲得しました!」

噂の都市伝説が目の前に現れた。

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