第75話 後輩
モニタールームで見ていた小南は、
「何だか、武装見せてたみたいだね。部長は。」
「そうですね。日向さんは、聞かなかったですからね。」
副部長が答えた。
「律儀に全部見せたってわけですね。」
と、美星。
「あくまでも、正々堂々にこだわる。如何にも部長らしいです。」
百地は、鋭い眼光でモニターを見つめたままで会話にくわわった。
「ついに、部長がアレやったけど、日向んは秘密に気がつくかな?」
「そうですね…。」
「おっ、百々っち。どう思う?」
「私が、思うに…。アレの秘密の事を考えるよりも、アレに対応する事を考えるかと…。」
「えっ…。それって…。」
「はい。日向んの考える方向が変わってますよ、最近は。」
「げげげ。強くなるフラグが立った?」
「流石、転生者といったところでしょうか…。」
「それにしても、百々っちよく見てるね。」
「はい。私、負けたくありませんから。」
「そっか、百々っちもか…。私もうかうかしてられないな。」
「本当のライバルは身内に居る! だね。」
と、副部長。
その言葉に美星は首を巡らせ、小南、百地、副部長を見た。そして、思った。
『皆、目が笑ってない。後輩を見る目じゃなくて、敵を見る目だ。』
と。
その事が、何だか嬉しくもあり、寂しい自分がいると気が付いた。
『私は、こっち側の傍観者か…。』
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