第13話 痛


31


 移動しながら狙うを練習していた、ある日。

 たぶん、1週間後ぐらい…。


 突然、右手に激痛が走る。

「痛っ!」

「どうかしましたか?」

 部長さんが、モニターの小窓に映る。

「手のひらのマメが潰れたみたいで…。」

「なるほど、手当てしますからこちらへ。」

「はい。」

 ガラガラとコックピットを開けて、隣のモニタールームへ。


 行くと、部長さんが救急箱を出して待っていた。

「手を出してください。」

 差し出した手を手当てしてくれる。

 その時、気が付いた。私のマメが潰れた場所。同じ場所に、部長さんはタコが出来ていた。

 じっと、見ていたのに気が付いた様に

「この場所は、皆マメができて、その内にタコになりますよ。」

 まだ噂でしかしらないけど、部長さんは、とんでも無く強いって。今なら、私にも解る。その強さは、両手にできたタコが物語っていると。


「はい、お終い。直接マメが潰れたところに触れなければ痛み無いでしょう。」

 そこには、綺麗にテーピングが巻かれていた。

「ありがとうございました。」

 ペコリと頭を下げた。

「いいのよ。私も先輩にしてもらっいましたから。」

 ニコりとした部長さんは、可愛いな…。

「でも、お風呂は覚悟いりますよ。」

「えっ…。」

「さあ、今は続きを。」

 可愛い悪魔なのかもだ。


「痛ーーーっ!」

 お風呂は部長さんの言った通りに、壮絶な痛みを伴った。


 言っておくけど、家を外から見た感じで、悲鳴がトゲトゲの吹き出しになってるからね。後、悲鳴上げた時に家が、少し持ち上がってるのは言うまでもないよね。

 期待しても、見えないようーだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る