それぞれの情熱編
第10話 スポーツ好きか否か
ファミレスにて。
沙和「あ、鉄朗くん、待ち受けドアラだ!ドラゴンズ好きなの?」
鉄朗「あー、まぁね、地元だし。
沙和はどこかファンなの?」
沙和「えー、特にひいきの球団とか無いなぁ。」
鉄朗「プロ野球中継とか見ない?」
沙和「あんま見たことないなぁ。」
鉄朗「サッカーとかは?」
沙和「うーん、見ないなぁ。」
鉄朗「へー。あ、じゃあこの前の冬季オリンピックとかは?」
沙和「全然見てない…」
鉄朗「…沙和ってもしかして、全然スポーツ興味ない人?」
沙和「いやぁ、自分でやるのはそれなりに好きだよ?
でも他人がやってるの見る程は好きじゃないかなぁ。」
鉄朗「あー。じゃ何のスポーツやるのが好きなの?」
沙和「んー、バスケでダムダムってドリブルしてシュートするのとか、バドミントンで打ち合いが続いたりするのとか、楽しい。」
鉄朗(えらい限定的だな…。)
沙和「でもさぁ、例えばバドミントンで、二人一組になってラリーの練習とかするじゃない?
それで、上手い具合にラリーが続くと楽しいじゃない?
で、せっかく良い気分だったのに、相手の子が急に目の色変えて、『ビシィッ!』とかスマッシュ打ってきたりすると、『うっわ、急に何なのコイツ、引くわ…』とか思って」
鉄朗「え…、はぁっ!?
いや、何でそこで引くんだよ!?
試合のためにラリーの練習すんだから、スマッシュ打ったって別に良いだろが!
それ、真面目に練習しないお前の方に引くわ。」
沙和「いやいや、私だって真面目にはやってるよ?
上手くなりたいとも思うし。
でもさぁ、スポーツってやり始めると、異様に熱中する人いるじゃない?
頼まれてもいないのに休み時間に自主練始めちゃったりとかさ…
そういう人いると、ただフツーに頑張ってるだけの私が、相対的に頑張ってないみたいに見えちゃって、何か…ぶっちゃけ迷惑っていうか」
鉄朗(ぶっちゃけ過ぎだろ。)
沙和「そもそも、何で一スポーツごときにそんなに熱中できるのか不思議でしょうがない」
鉄朗(うっわ…ごときって言ったぞ今コイツ)
「いやいや、一スポーツごときに熱中したって良いじゃねぇかよ。
俺だって中高とテニス部で、それなりに熱中して頑張ったぞ…」
沙和「あ、鉄朗くんテニス部だったんだね!
うん勿論、熱中したって良いんだけどね…
何かこう、スポーツ選手の人とかって、その熱中する人の最たるものなワケじゃない?
もう全然自分と違う生き物に見えるっていうか、だから見て応援するとか、もうそういう次元じゃないっていうか」
鉄朗(ん…?何か雲行きが怪しい…何を言い出す気だ…?)
沙和「正直スポーツ選手の人のこと、全員マゾだと思っ」
鉄朗「コラコラコラー!!!やめろお前ー!!!」
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