アクアミネスの勇者
佐倉真稀
宇佐見明良編
プロローグ
王国歴482年
10年に及ぶ不作、隣国との度重なる境界戦争、民も国も疲弊していたその最中。
邪王が復活した。魔物は活性化し、辺境から押し寄せた。
女神の救いの手が差し伸べられて勇者が現れた。
黒髪黒目の少年だった。
勇者にしか扱えぬ聖剣を手にした少年は強大な力を振るい、魔物を打ち破った。
辺境の民を救い、邪王に迫った。
邪王の通るところ命は奪われ“不毛の大地”と化した。
勇者は聖剣を輝かせ、邪王を打倒し、封印した。
守護騎士の死と引き換えに。
あまりにも強大な邪王の力は滅ぼせず、“不毛の大地”に聖剣とともに封じられた。
以来聖剣は失われた。
再び邪王の力が高まり、蘇る日に聖剣はない。
-ミネス王国史勇者記抜粋―
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