【24万PV】世界最強(自称)で始めるダンジョン攻略~ハズレ認定されたじばくスキルは神スキル~
赤里キツネ
???
第1話 0000/0000/0000/0001
嫌だ・・・死にたくない・・・!
上が、下が、分からない。
落とされた後、僅かな狭間。
中央の渦。
あそこに入ると、死ぬ・・・いや、死ぬより恐ろしい事になる。
それが何故かはっきり予想できた。
そんな渦。
とっさにスキルを使う。
スキルの名は・・・じばく。
勿論、何の解決にもならない。
だが、自分にはそのスキルしかない。
だから・・・とにかく使う。
唯一の選択肢。
自分の体が膨れる感覚?
そして、意識が遠くなり。
--
目が覚めたら、自分は地面に座っていた。
目の前には渦。
数メートル離れた後ろには、壁。
円形の空間。
天井は、見えない。
壁も、虚無が流れているような不思議な構造。
自分はそこから出てきたと思う。
近くには、目標にした岩。
自分が、その岩と繋がっている感覚がある。
なるほど、納得した。
自分のスキル、じばく、これは、『自爆』ではない。
『自縛』なのだろう。
『自縛』で、自分と岩を結びつけたのだ。
それで助かった。
渦からは凄まじい吸引力を感じるが、岩と力強く結びついている為、吸引の概念を無効化している感じだ。
自分は、少し前まで日本にいた。
所謂異世界召喚という奴だ。
このあたり、特筆すべき内容はない。
と言っても、いきなりここに来たわけではない。
集団で召喚され、ステータスを見る。
周りが聖女や勇者、聖騎士、賢者、ステータスも高く、成長スキルもある・・・の中、異世界の人より弱いステータス、レベルは1、スキルは『じばく』のみ。
そんな存在が来たらどうなるか。
夜、王女とやらが部屋を訪ねてきた。
一緒に召喚された奴から気をつけろと言われていたし、自分も警戒はしていた。
が、自分のステータスで対抗できる物ではないし、王女の手の者は非常に手慣れていた。
闇の仕事に従事しているのだろう。
あっさり捕まり。
召喚の間の奥、廃棄穴、と呼ばれる存在。
そこに棄てられたのだ。
残念、俺の冒険はそこで終わってしまった。
で、先程悪あがきした結果、首の皮一枚繋がった感じだ。
恐らく、この世界からは出られない。
そういう空間なのだろう。
最初に感じた通り、あの渦に入ったら終わりだと思う。
日本では、まあ、普通。
さっきまでいた世界では、最弱だったかもしれない。
そして今は、世界最強と言っても良いのではないだろうか。
この世界には恐らく、自分しかいないのだから。
「ステータスオープン」
ステータスが表示される。
特筆すべきステータスはない。
非常に低い。
HP:7/12
HPが減っている。
これが0になると死んでしまうらしい。
先程落ちたからだろうか。
それとも暗殺者にやられたのか。
IM :10
見慣れない表記が一番上に増えている。
こんなの説明になかったと思うけど。
というかさっきの世界で見ていたときには無かったと思う。
ふと岩を見ると、コンソールが出現している。
ハイテクだ。
操作すると、色々なアイテムやスキル、ステータス増強まで色々できるようだ。
職業に就く事もできるらしい。
無職の俺でも色々なれるのか・・・で、右側に書かれた数字。
1,000 IM、200,000 IM、・・・なるほど、この為の数字か。
今は全部赤くなっている。
HP:9/12
徐々にHPは回復するようだ。
だが・・・徐々にお腹が減ってきた気がする。
これは、お腹が減ると詰むんじゃないだろうか。
ふと中央の渦を見ると、一箇所扉がある。
さっきあったかな?
扉には文字が書かれていた。
+++++++++++++++++++
現在0階層までクリアしました。
1階層から開始します。
+++++++++++++++++++
入ってみよう。
虎穴に入らずんば虎子を得ず、という奴だ。
そして入った先は・・・岩があちらこちらにある、崖。
入ったとたん扉は消えた。
空を見上げるといい天気だ。
どういう空間なのか。
元の世界に帰れた訳ではないと思う。
岩陰からゴブリンがこちらを狙っている。
やってやる。
こちらは素手だが、人間を舐めるな。
窮鼠猫を噛むって奴だ。
ゴブリンに向かって走る。
ゴブリンの矢がこちらを射貫く。
痛い!
意識が飛びそうになる。
ゴブリンの次の矢が正確にこちらの眉間を射貫き・・・
--
気がつくと、自分は地面に寝ていた。
目の前には渦。数メートル離れた後ろには、壁。
円形の空間。そして近くに岩。
服には血の跡があるが、傷はない。
HP:1/12
HPが減っている。
恐らく自分は死に、この岩との繋がりで引き戻されたのだ。
・・・よええ・・・
IM :4
IMが減っている、これがなくなるとどうなるんだろ・・・とりあえずリトライするか・・・HP全快まで休みたい気もするが、お腹が減ると更に不味い気がする。
6くらいでリトライする。
次に入った場所は、草原だった。
毎回場所が変わるのか。
遠くに見える、リザードマン。
とりあえず逃げないと。
あ、向こうの方が早い。
気付かれたら終わり・・・ああ・・・切られ・・・
岩の傍。
IM:1
恐らく、IMが半減した後、1引く・・・または、レベル合計を引く、とかじゃないだろうか。
自分のレベルは1だしな。
そして分かるのは。
恐らく次に死んだ時、自分は消えてしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます