第十六話「呼吸は至急」 塩素怪人プールムー登場
第十六話「呼吸は至急」 1
かんかんと照りつける陽射しに、博斗はげんなりとして声も出ず、ただふらふらと歩いていた。
プールに行けば涼しいのはよくわかるが、問題は、その、プールに行くまでのこの数十分間なわけだ。
博斗達が夏合宿から戻ってきた頃から、市営プールに「出る」という噂が飛び交っていた。
市営プールには大人用と子ども用の二つのプールがあるのだが、「出る」のは、大人用のプールだけだという。
サークル仲間の女子大生の一人が、突然水中から足を引っ張られ、危うく溺死寸前のところまで水を飲みこんでしまった。それが発端。
一人、また一人と、足を引っ張られる被害者が続出し、市の調査が入った。
だが、排水口にもプールの底にも、何ら変わったことはなく、結局、注意書きを増やし、監視員を一人増やしただけで、いままで通りの営業となった。
いっぽう、博斗は理事長から事件のことを聞かされ、ムーの連中の仕業に違いないと推測し、市営プールに生徒会の集合をかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます