第6話

びゅうっ。

風切り羽の音。

影落ちて、バサッバサッバサッバサッ!

巨大な鳥が僕らを

魔法の絨毯が遠のいてゆく

持ち帰られた先は巣

雛も巨大だ

餌として持ち帰られたんだろう

でも僕らは固い

すぐに雛たちはあきらめた

巣からポイッてやってもいいのに親も子らも、僕らを邪魔にせず、なんか雛みたいに扱われてる

僕らの差し出し口にも餌が入れられる

“きょうだい”はぐんぐん大きくなって、やがて親たちと巣立っていった。

取り残された僕らは、ただそのままじっとしてた

巣のある木が成長し、枯れつくし、倒木となって、巣が粉々に砕けでも、僕らは動けずただずっと、当てなく空を見ていた。


あの大きな鳥、伝説のルフ鳥だったかも。


350年ぶりに開いた口で、4300がボソッと言う。

物知りだなあ。

とその時。

ズウウウウン、と重い音がして、

あたりが真昼のようにまばゆく光ったかと思うと




僕らはなにも見えなくなった




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る