いびきがヒドいので、のどちんこを切ることにした話

彼を知り己を知れば、百戦殆うからず

（2018年5月某日）

　手術予定日が約一週間後にまで迫ってきた。

　つまり、生まれてからずっと一緒に過ごしてきた “のどちんこ” とのお別れが近づいてきたということ。

　……うん。感慨深いようで、考えてみたら別に全然そうでもなかった。

　ただ。

　やっぱり。

　ちょっと怖い。

　これまで大きな病気もせず、自分は手術というものを経験したことがない。

　麻酔だって歯医者の治療でしかしたことがない。

　それがいきなり、「“のどちんこ”切ります」なんて、いくら日帰りの手術とはいえ、ちょっと怖い。いや、けっこう怖い。

　怖いのは、覚悟ができていないから。

　覚悟ができないのは、知らないから。

　そうだ。

　どうして“のどちんこ”を切除しなくてはいけないのか。

　それをしっかり理解し、納得することが先だったんじゃないか。

　順番は逆になってしまったけれど、ちゃんと知ろう。学ぼう。

　彼を知り己を知れば、百戦殆（あや）うからず。

　そんなことを思ったとき、ちょうど病院で“いびき”に関する無料のセミナーを実施することを知った。

　時間も終業後でちょうどいい。

　申し込まない理由は無かった。