ドーナツのお化け
鮭さん
ドーナツのお化け
すぐ近くに川が流れているので、ここは川辺。木々が並んでおり、色とりどりの落ち葉が地面を覆っています。隅っこ、岸辺のあたりに落ち葉の山ができていますを誰かが落ち葉を集めた時に出来たのでしょうか。よく見ると、その上にドーナツが置いてあります。チョコレートで覆われた茶色いドーナツです。
そこに、学校帰りの小学生が通りかかりました。
モフモフ、モフモフ
すると、落ち葉の山が動きました。中に何かいるのかもしれません。
モフモフ、モフモフ
小学生がそれに気づきます。なんだろうあれは、よく見ると、ドーナツが置いてあるぞ。食べたい、食べたい。
モフモフ、モフモフ
しかし、なんか、動いている。もしかしたら、ドーナツお化けが中に入っていてドーナツで僕をおびき寄せ誘拐しようとしているのかもしれないぞ。どうしよう、どうしよう。
小学生は悩みました。悩んでいる間にも落ち葉の山は動いています。
モフモフ、モフモフ
もし、ここで僕がドーナツを取らずうちに帰ったらきっと僕は後悔する。将来自動車を運転する時にこのことを思い出し、事故を起こし死ぬかもしれない。だったら今ドーナツを取りに行った方がいい。
小学生君はドーナツを取りに枯葉の山に近づきました。そうしている間にも落ち葉の山は動いています。
モフモフ、モフモフ
ドーナツが手に届くところまで来ました。恐る恐る手を伸ばします。
ガチャッ
突然手に何かはめられました。みると、ドーナツ。これは、ドーナツの手錠です。
モフフフフフフ
枯葉の山が崩れ、中からドーナツに四肢がついた星のカビゴンのパクリみたいなよくわからないのが現れました。
ああ、これはやっぱりドーナツのお化けの罠だったんだな。
小学生君は思いました。しかし、手錠もお化けも結局はドーナツなので、食べました。
人は強いです。
完
ドーナツのお化け 鮭さん @sakesan
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