暁の空の下で君は何を思うのだろうか?

優希遥

プロローグ

ここ、神華王国は6つの国に囲まれている。まず、始めに王国の真ん中に位置する国。蓮華国、そして、新葉国、天ヶ月国、空乃国、鈴蘭国、桜花国だ。



一方、蓮華国の姫であり現国王の後継ぎであるソラナは今出席しなければならない話し合いから逃げ、今こうして息を潜めて隠れているのだ。


「本当、嫌になっちゃうわ。話し合いなんて父上だけが参加すればいいじゃない」

ソラナが草陰に隠れながらそう言うと後ろに人の気配を感じたので、そっと後ろを振り向くとソラナの幼なじみであり、護衛である背の高い黒髪の男シランが立っていた。


「姫さま、そんな所に座ってどうしたんですか?あ~もしかして今行われている話し合いから抜け出して来たとかですか?」

「ええ、そうよ。シラン貴方、城の警備は?」

ソラナのその問いに護衛であるシランは他に人に任せましたと返した。


「それより、姫さま話し合いはちゃんと出席しないとダメですよ。だって、姫さま貴方はこの国の国王、ルタル国王陛下の唯一の一人娘であり、後継ぎなのだから」

シランがそう言えばソラナはそんなのわかっているわよと言い返した。

「はあ、まあでもそうね。多分、ミラサもわたくしのことを探しているでしょうし、嫌なことから逃げてちゃダメよね」

ソラナはそう言い立ち上がった。

そして、シランを見て頑張るわと言いその場を後にしたのであった。


一方、ソラナの侍女であるミラサはソラナのことを探していた。

「本当、姫さまは何処に行ったのやら?」

ミラサはそう言いまた止まっていた足を動かした。


これは、蓮華国の第一王女であるソラナの人として王としての運命の物語である。


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