第86話 さもっぱらっ

「ぽふ!」


パナケアがさっそく料理にかじりつく。


「自分の未熟さを思い知ったでござる。早く進化せねば」


ユグドが言う。


「私も、もっと強くならないと行けないですね」


ライが言う。


「ピキー、クリーピーの真似しぃが居たのよ!アイデンティティの侵害なのよ!抗議するわ!」


クリーピーが怒っている。

そう言えばあの下位レッサー原初プロト悪魔デーモン達って・・・


「ご主人様、原初プロト悪魔デーモンの説明をしておきますね」


「ああ、頼む」


なんか、挑戦権とやらも手に入れたし。


原初プロト悪魔デーモンとは、神々と敵対した悪魔達の事です。たった6体で神々と戦い、その争いは666億年に及んだとも言われています」


「長過ぎるだろう」


「戦いの後、原初プロト悪魔デーモンは封印されました。徐々に分解され、世界に溶け込み、やがて消滅する・・・神々はそう考えたのですが・・・それから月日が流れ、原初プロト悪魔デーモンの復活が予見されました」


「そういうバックグラウンドストーリーがある訳か」


原初プロト悪魔デーモンとは、この世界を構成する根源その物です。そして、神々はこの世界を利用して、異世界より人を招くことにしました。目的は2つ。根源を消費して、原初プロト悪魔デーモンを薄める事・・・もう1つは、原初プロト悪魔デーモンに対抗できる存在を造り出すことです」


「なるほど」


ガチャ、が、根源から力を引き出すのにあたるのかな。

☆3しか引き出せない人もいるけど。


レインは溜め息をつくと、告げる。


「これはただの世界設定とかではないですよ。もし本当に原初プロト悪魔デーモンが復活したら、地球の人類も滅ぼされるでしょう」


ふむ・・・


「さっき戦った奴等が、その原初プロト悪魔デーモンなのか?」


「あれは、オリジナルを元に作った複製を弱め、量産したものですね。鍵片キーフラグメントで挑戦出来るのが複製。全ての原初プロト悪魔デーモンの複製に勝利すれば、サモパラのゲームクリア条件を満たします」


うん、なんかいっぱい情報が出てきたな。


「まず、サモパラって何だ?この世界の事か?」


「当然です。やはりご主人様は無知ですね。プレイ中のゲームの名前も知らないとは。サモパラサモパラ、サモッ、パラッ、サモッ、パラッ、パラリルパラリル、パラッ、パラッ・・・ってCMがあったでしょ?」


「そんなCM聞いたことが無いし・・・そもそも、夜寝て朝起きたら、変な世界に拉致られてたんだが・・・?」


「ああ、そうでしたね。ご主人様は第一被験者、まだタイトルも決まっていなかったので、知らない可能性も有りますか。やれやれ」


それ、俺に非は無いよね。

毒舌の癖に、攻めると弱いからそのギャップがまた。

今夜はたっぷり可愛がってやる。

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