第62話 じょうたつ

「・・・宝珠よりはましかあ・・・でも10個か・・・あ」


ふと思いつく。

必要素材のポップアップをじーっと見る・・・金の宝珠が1つと、フェアリーのソウルクリスタルが3つに変化する。


「良し、3つになったぞ」


「何で?!」


レインが振り返って叫ぶ。


「3だから?」


「また良く分からない事を・・・」


レインが再び前を向き、調理を再開する。


明日は金の宝珠と、レインの進化素材かな。


--


朝。

レインが起きようと、動くので目が覚める。


「すみません、ご主人様。起こしてしまいましたね。朝ご飯の準備をするので、もう少し寝てて頂いても大丈夫です」


レインが謝る。


「いや、俺も起きるよ。おはよう、レイン」


「はい、おはよう御座います」


レインが微笑む。

可愛いなあ。

軽く口づけすると、レインと共に起き上がり、身支度をする。


レインが朝ご飯の仕度をするのを見ながら、裸エプロンに関する考察をする。

まずはエプロンを入手する必要があるけど、何処に売っているのだろうか。

柄は、色はどうするか。


「手元が狂うので辞めて頂けますか」


レインが涙目で抗議に来る。


「昨晩十分に満足して頂けなかったのでしょうか・・・」


悲しそうにそう言って作業に戻る。

いや、別腹なんだよ。


朝ご飯が出来ると、みんな降りてくる。


ご飯を食べ終わり、デザートを食べつつ、切り出す。


「みんなのレベルが最大になったので、今日からは進化素材の準備をする。まずは金の宝珠。次にレインの素材から順に」


「今調べてみましたが、攻城戦のポイントだけで金の宝珠は揃いますね」


おや、お得。

結構条件緩いんだな。


「まあ、条件が緩いというより、ランク5が稼げるポイントから逸脱したポイントを稼いだせいですね」


「なるほど」


みんながデザートを食べ終わったのを見て、立ち上がる。


「良し、行こうか」


みんな立ち上がるが・・・ダリオだけ、本に戻って、テーブルの上に乗る。


「寝るので、運んで下さい」


「ほう?」


俺はそっとダリオを手にとった。


--


汗だくになり、息が荒く、真っ赤になったダリオが、泣きながらふよふよと付いて来る。


「・・・ご主人様、何だかだんだん酷くなっていませんか?」


レインが呆れたように尋ねる。


「うむ。何だかコツを掴みかけてる気がするんだ。次は今の数倍上手くいける気がする」


「わふ・・・駄目です!これ以上なんて、死んでしまいます!」


ダリオが抗議してくる。

だったら歩けば良いのに。

多分、して欲しくてわざとやってると思う。

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