第60話 じゅっぷんかんせいぞんせよ

次のマップ・・・博士だけ取り残され、俺達は10メートル四方程の四角い部屋に転送される。

博士が叫ぶ。


「いかん、罠じゃ。10分持ちこたえてくれ。何とか脱出路を開く」


これで10分間持ちこたえる、って事か。


「ぽふぽふー!」


さっそくパナケアが敵をマシマシにしている。


「はい」


ダリオが呟くと、みんなに各種バフ魔法がかかっていく。

やっぱりサポートタイプなのか。


敵が次々と湧き、向かってくる。


「ぽふー!」

「ござる!」


パナケアとユグドが無双。


「サンダーボール、サンダーボール」


レインが次々に魔法を放ち、敵の塊を消し炭にする。


「ぴきー!」


クリーピーがガトリングガンで敵を吹き飛ばす。


「デレデレ」


ライが光で次々と敵を貫いていく。


本来は無限に湧く敵の群れから如何に身を守るか・・・といったマップなのだろうが、湧いた瞬間に葬られる感じで、全然溜まらない。


「行って」


ダリオが手を振ると、天使やドラゴン、騎士、魔法使い・・・ぞろぞろ出てくる。

そして、各々戦い始める。

・・・出てきたユニットも結構強い。


レインがふよっと俺の横に来て言う。


「あれ、☆5の人気ユニット達ですね。あ、7体目。基準は分かりませんが、☆5ユニットを呼んで戦わせることができるみたいですね・・・何体呼べるのでしょうね」


徹底的に自分が戦わないんだなあ。


ゴウッ


ダリオの周囲に機械の兵士が湧く。



ダリオが一瞥すると、機械の兵士達は電流が走り・・・そのまま地面に崩れる。

・・・強いじゃないか!


「・・・☆5までの全魔法を無詠唱で発動しますからね・・・あの娘」


レインが呆れた様に言う。


10分は既に過ぎ、次のマップへの出口は開いているのだが・・・

このマップに時間制限はないらしい。

3時間程このマップで粘り、レベル上げをした。


ようやく次のマップへ移動。

その後は順調に進み、ボスも倒す。


NPCの博士が礼を言って別れ・・・


「お疲れ様」


俺が全員に言うと、


「3時間狩りし続け・・・結構疲れますね。パナケアのお陰で自然回復するから、大分楽ですが・・・もっとも、24時間でも狩り続けられちゃいますけど」


レインがぐでっとして言う。


「とりあえずクエストカウンターで報告したら、マイホームに戻ろう」


俺はそう宣言する。

マップのシンボルから、近くの道具屋の裏にこっそり移動。

そこからギルドのクエストカウンターに行き、報告。

そしてマイホームへと戻った。

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