第46話 ぶりいふぃんぐ

「それで、作戦はどんな作戦になっているのですか?」


レインがエリスに尋ねる。


「うん、うちのクランだと、まともに城を確保するのは無理だからね。適当に不人気な城を狙って、功績値を稼いで・・・終了時の参加賞を少しでも豪華にする予定」


「まあそんな所でしょうね」


レインがうんうん頷く。


「攻城戦って、どんなものだ?」


名前でだいたい想像はつくのだけど。


「ああ、ごめん。攻城戦って言うのは・・・城の取り合いね。他クランのプレイヤーを倒して、玉座の間のクリスタルを破壊したら、城を奪取する。城を最後まで確保するのは難しいけど・・・城を奪った回数、他プレイヤーの妨害や攻撃をした量・・・そこから復活回数や受けたダメージ等のペナルティーを引いて、功績値が決まる」


エリスが説明する。


「で、終了時に参加賞が貰えます。攻城戦専用のアイテムと交換できるポイントや、お金、ルーンストーン等ですね。功績値の分がボーナスとなって、参加賞が豪華になります。低ランクの人はこっちを狙う形になります」


リュックが引き継ぐ。


「クランとして特に縛りは儲けてないから、好きに暴れ回っても大丈夫だ。俺はそうしてる」


ボルカンが腕組みして言う。


「ボルカンさんは何時も楽しそうに暴れ回ってますよね」


エルが楽しそうに言う。


「おうよ、好きに暴れ回れて、ポイントも結構貰えるぜ」


ボルカンが胸を反らす。


「死亡したユニットは、コストが許す範囲で即時復活できます。サモナーが死亡すると、ベースに移動。ベースでは、10秒で1の召喚コストが回復します。全滅しなくてもベースに戻れば回復が可能です」


レインが補足。

成る程、途中回復で出撃も有りか。


「サモナーは、召喚ユニットが残っている間は無敵、召喚ユニットが居なくなると攻撃が有効になります。ただし、庇う等の意図的な動作をした場合は、ダメージを受けます・・・これは、サモナーが盾になってユニットを護らないよう、その対策ですね」


レインが続ける。


「あ、庇ったら駄目なんですね」


ルミがメモをとる。


「だいたい分かったよ、有り難う」


まあ、適当に暴れればいいかなあ・・・ユニット死亡や自身の死亡は覚悟しないと。

・・・PKの覚悟も・・・いや、それは既に闘技場でやっているのだけど。

サモナーが降参してくれないと、相手を倒す必要がある。

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