第12話 すりいすたあくえすと

「☆4のユニットが4体、そろそろ☆3のクエストを受けても良いでしょう」


レインが提案して来る。


「拙者にお任せ下さい。マスターを邪魔する存在は、全て峰打ちにて排除致します」


ユグドが凛々しく言う。

多分、峰打ちじゃない。


ギルドで☆3のクエスト、海賊の宝を探せ。

海岸ダンジョンで宝箱から宝を探すクエストだ。

これにしよう。


「あ」


レインが声を上げる。

えっ、何。


「どうした、レイン?」


「☆3のダンジョンからは、宝箱に罠が発生します。解錠のスキルを持つユニットか、盗賊の傭兵を雇う必要があります。なので、今はそのクエストは止めておいた方がいいですね」


「解錠・・・そういうスキルを持つユニットがいるんだな?」


「はい・・・☆4とか☆5には」


つまり、俺には無理なのか。


「解錠、なら可能ですよ。罠の発見も、罠の設置も、施錠も、お手の物でござる」


ユグドが頼もしい事を言う。


「できるの?!」


レインが驚く。


「忍です故」


ゴゴ、ユグドが頷く。


「便利だなあ、忍」


俺が言うと、


「シーフよりは一歩劣りますが、解錠等のスキルや気配察知、警戒、隠密、一通りこなせるでござる。そして全ての武器を装備できるのでござる」


ユグドが、ゴゴッ、と胸を反らす。

便利だなあ。


「忍って何・・・」


レインが呻く。


「じゃあ、この武器も装備できるのかな」


使えなかったミスリルソードをユグドに渡す。

ユグドが嬉しそうにミスリルソードを装備する。

いけるらしい。

ミスリルソードを一旦回収。


デッキコスト:27/32


「えらく、人間っぽい動きをするトレントですね?」


ギルド職員が不思議そうに言った。


--


海岸ダンジョンには、レインの案内で移動。

途中、迷いの森等もあり、辿り着くのも大変なクエストらしい。

☆3から色々上がるなあ。

まあ、レインが案内するから、辿り着く難易度は無視できるんだけど。


途中の道で敵に遭遇、撃破する。

外でやられると回復が大変なんだっけ。

気をつけないと。


「よし・・・ここからが海岸ダンジョン・・・」


ダンジョンの中は、昼間のように明るい。

所々、地面に四角いマークがあり、ここに落とし穴、といったマークが浮いている。

・・・ん?


「ダンジョンってこんな風に明るくて、罠のある場所分かるのか?」


「・・・マスターは何を言っているのですか?まだ寝ているのですか?無理せず今日は休んでいても良かったのですよ?」


レインがジト目で言う。


「あ、それは私のスキルだよ。完全暗視と、マップオブジェクトの表示」


ライが言う。


「おお、それは便利だな!」


「ハイウィルオーウィスプですから」


ライがきらっと光を強める。


「・・・そんなスキル聞いた事ないんだけど・・・」


レインが呻く。

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