第9話引き換えに
一晩、豚箱の中にぶち込まれた後、釈放された。
俺は、焦っていた。
予定では、公爵の馬車を襲撃して、取り返すつもりだったのに、その公爵の馬車の行方さえも分からなくなってしまった。
今考えると、考えが浅すぎた。
なんの訓練も積んでない人間が職業軍人である護衛の騎士に勝てると思っていたのだから。
俺は公爵の領地を尋ねるために、冒険者ギルドに行った。
「すみません、公爵家の領地はどこにありますか?」
「こちらの地図に大まかな国内の領地の分布が書かれています。ご購入なさいますか?10000ゴールドです」
ちなみに、この国の通貨は、ゴールドという。通貨の額面の数字の価値はだいたい、日本と共通している。
俺は今、7000ゴールド持っている。
あと、3000ゴールドで買えるが、買ってしまうと、今日食べる食事にも困ってしまう。
くそ、時間が無いが、金を稼ぐしかない。
「すみません、お金がありません」
「でしたら、貴方のテイムされている新種のモンスターをギルドに提供してくだされば、代わりに、新種のモンスターを捕獲したことの報酬として、お金を支払いましょう。新種のモンスターは、死体は五万ゴールド、生きている状態で10万ゴールドです」
「て、提供します!」
こうして、俺は、地図の代わりに、足を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます