第4話一筋の光明
「アシュリーを取り戻す」
アシュリーの乗った馬車のあとを見ながら俺は呟く。
俺は、急いで、頭を巡らす。
アシュリーを取り戻すには、どうすればいい?考えろ、考えろ。
アシュリーが、公爵の屋敷についてからだと、アシュリーは、もう取り戻せないだろう。
なら、アシュリーが屋敷に着く前に奪い返せばよい。
幸い、アシュリーが乗っているのは、馬車だ。馬で追いかければすぐに追いつく。
俺は、急いで家に向かう。
_______________
「親父!馬借りるから!」
家に着き、親父にそう言ってから、厩舎に行く、
馬を厩舎から出し、アシュリーを追いかけようと馬に跨ったその時「おい!ちょっと、待て、ゼン。やっと、外に出たと思ったら、今度はどうした?俺に理由を説明してから行け」という声が聞こえた。
「あぁぁぁああ、もう!
俺、アシュリーに告白して、フラれた。
俺、アシュリー妾になるって知らなかった。
俺、アシュリー取り戻しに行く。
以上!じゃあ行くからっ!」
「お前が、告白して、フラれて落ち込んでたのは、分かった。しかし、どうやって、アシュリーちゃんを取り戻す?アシュリーちゃんの行き先をお前は知っているのか?そこに着くまでの資金は?食料は?万一、取り返せたとして、その後、どうする?」
「っ……、分かった、親父は、諦めろって言いたいんだな」
「いや、そうじゃない、よく考えてから、行動しろと言っている」
「同じことだろっ!アシュリーは公爵の妾になったから、お前が合うことはもう二度と無いって言いたいんだろっ!」
「いや、違う。考えろ。考えるんだ。いついかなる時でも、考えることをやめてはいけない。考えて、考えて、考え抜いた先に見えるものもある。自分の計画が甘く、行き詰ることないように、考えて計画の穴を埋めるんだ。それでも、行き詰ったら、また考えるんだ。それでも、行き詰ったら人を頼るんだ」
考える。アシュリーを取り戻す方法は……思いつかない。次のことを考えよう。行き先は……知らない。資金もない。食料も、取り戻した後の見通しすらない。
「親父、俺に、旅の資金を貸してくれ、出来れば、食料と馬も」
「ああ」
「アシュリーの行き先を教えてくれ」
「ああ」
「ありがとう、親父。他のことは、自分で考えるべきことだから、自分で考えるよ」
「祭りの日から、お前が引きこもってるから、俺は、まだお前のスキルだって知らねぇのに、もう出ていこうとしやがる。ったく、子供は、成長するのは早ぇなぁ」
俺は、親父に、引きこもってた時、ひどいことを思ったのを、申し訳なく思った。
「親父、俺のスキルは遺伝子操作ってスキルだ」
!!、俺、今、自分でなんて言った?俺のスキルは遺伝子操作と言った。
この、難関に一筋の光明が見えた気がした。
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