冬の雨が上がる時*

「冬の雨が上がる時」は野心作「冬の雨に濡れて」のヒロイン目線の裏ストーリーです。2018年11月19日に投稿を開始しました。第1部家出・同居編33話、第2部再会・自立編16話、全49話、82,000字の中編作品です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887546870


本作品はエブリスタ小説大賞2018 TOブックス大賞において優秀100作品に選定されました(2019.5.24)。なお、選評は以下のとおり(2019.6.8)。


『冬の雨が上がる時』

熱意:B、共感度:C、キャラクター:C、ストーリー:C、表現技術・文章能力:B総合評価:C


【エブリスタ編集部選評】

運命の出会いがあるんだなと感じさせてくれる作品でした。2人の心が通い合っていく様子に共感できます。だからこそ、2人のキャラクターの過去をもう少し知りたいと感じました。2人の“現在”は多く描かれています。未来も読者に見えるようです。あとは、過去にどんなことがあったのか。断片的にしかわからないので、そこが埋められれば、さらに物語は厚みを増していくはずです。


タイトルを「冬の雨が上がる時」としましたが、第2部の始めの部分でヒロインがおじさんのところへ戻ってきた次の朝のフレーズ「今日は朝から晴れている。」から取りました。ヒロインの明るい未来を暗示しました。


身体の結びつきが心の繋がりを生み、その心の繋がりが身体の繋がりを凌駕していくというのがこのストーリーのテーマになっています。こういうことは結構あるのではと思っています。


ヒロインはおじさんを性悪おじさんとは見ていません。それよりも約束、契約を守ってくれる信頼できる人と捉えています。どちらかというと従来のよいオッサンではなくて変則的なよいオッサンという捉え方かもしれません。また、ヒロインはおじさんにやりたい放題されたことで、若くして自然とオトコの本質を見極めています。


これまでオリジナルストーリーを書いたらヒロイン目線の裏ストーリーを書いてきました。ひとつのストーリーから2つの小説が書けるからです。どちらかというと後から書いたヒロイン目線の裏ストーリーは内容が練れてよくなっていると思っています。これはオリジナルストーリーを何度も読み返しているので自分でも気が付かなかった本質が見えてきたことによるものと思います。


前半第1部家出・同居編33話が性悪オジサンとの顛末、第2部再会・自立編16話が離婚したヒロインの顛末です。それぞれ独立したラブストーリーとしても読めるようにしています。オリジナルの「冬の雨に濡れて」では第1部の始めの部分でのおじさんのやりたい放題が刺激的ですが「冬の雨が上がる時」ではヒロイン目線では幾分緩和されています。


本作品により「春の雨に濡れて」シリーズの4部作が完成しました。

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