すず日記
@nobumasa
第1話 家族にしてもらいました
私の名は「すず」。
保護犬譲渡会でお父ちゃんに会って引き取って貰いました。
お父ちゃんちに来たのは台風の日。大和川が氾濫寸前、避難勧告さなかのことなので、
私の名は「あらし」になりそうだったんだけど女の子なんで「すず」ってつけてもらいました。
誕生日?
は、わかんない。だって誰も私の生まれたところ見てないもの。
狂犬病とかいう病気の予防接種対策として一応、今年の9月1日に生まれたことにした。
ということです。
お父ちゃんちに来てよかったと思っています。いっぱい我儘させてもらってるんです。
あの保護犬譲渡会のNPO法人のところには2度と戻りたくはありません。
怖い思いをいっぱいしてきましたし病気もいっぱい貰いました。
ご飯なんて「犬の餌」よ、え!アタシ犬か、まぁなんていうか・・・。
あるとき、ウンチから白くて長くてグニョグニョ動くものが出てきてびっくりしたんだけど、
それを見たお母ちゃんが「すず!やったやった!」って大喜びしていました。
何なんでしょうね、出したアタシが良い子なのか、出てきたモノが良い子なのか・・・。
でもそれからあとはからだがだるくなくなりました。体もおおきくなった様な気がします。
おもちゃにもらったフワフワのボールを転がしたり、
お父ちゃんの使い古し。だと言う汗くっさい黒い革の紐を噛んだりして
一日中遊んでいます。
でもね、フワフワボールで機嫌よく遊んでいたら父ちゃんがボールを取り上げるんです。
ひどいと思わない?
取られるのが嫌だからくわえたまましていたら
「放せ!放せ!」って無理やり取り上げられてボールを遠くに投げるんです。
何すんのぉって感じよねぇ。
走って取りに行ってまた元の位置に戻って遊んでいたら
また同じことするんです。
頭撫でられてるから良いことしてるんだろうけど
うっとうしくって。
まぁお父ちゃん、それで満足してるからいいかぁって感じにしています。
お父ちゃんお母ちゃんのお目こぼしの範囲で、こっちはワガママし放題。
3食昼寝付きやもんね。
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