第4章

第14話 伸ばした手の先に

 その日の夜、晃はスイッチを完全にオフにして床についた。


 本来の姿。本来のパラメータ。


 ぶかぶかの寝巻きを無理矢理に着て、ベッドに潜りこむ。

 いつもはちいさいと思っていたベッドも、今の晃にはおおきく感じられた。


(こうしてここで寝るのも、今夜が最後か……)


 あまりにも短い高校生活だった。


 けれども、後悔はしていない。

 完璧な『俺』として過ごした一ヶ月は夢のようで……でもけっして、夢じゃない。現実にあったことだ。


 わずかな時間でも、晃は別人に、理想の自分になれた。

 それだけは、まぎれもない事実なのだ。


 いつまで晃のバグが残っているかは、わからない。

 けれども知られてしまった以上は修正される。


 それならもう、この力は失ったも同然だ。頼り続けるわけにはいかなかった。


 本当なら今すぐにでも学校を出たかったのだけど、街まで出るバスは朝夕の二本だけ。


(誰にも見つからないように、早朝には出発しないと……)


 そんなことを考えながら、晃は目を閉じた。


 不思議と気分は落ち着いていて、眠気はすぐにやってきた。



 翌朝。日の出のすこし前に、晃は目を覚ました。


 そして――。


 すでにスイッチの力が消えていることを実感したのだった。


 いつだってそこにあったものが、突然なくなっていることに気付いたような違和感。


 引越し前の、すべての家具がなくなった部屋の寂しさにも似ている。

 壁紙の日焼けが、そこに家具があった確かな証拠として残るように、晃の心もたとえようのない感覚で満たされていた。


 力が消えたことがわかる。

 それなのに、まだどこか信じられない。


 もしかしたらまだ使えるような、そんな気がしてしまう。


(スイッチ……オン)


 心の中でつぶやいてみる。


 けれども変化は起こらない。なにひとつ。


 もはや完全に、力は消えてしまったのだ。


「……修正するにしたって早すぎだろ」


 感じたのは驚きではなかった。むしろ呆れていた。

 冬華はたった一晩で、晃の症状のすべてを解明し、修正したということだ。


 晃がなぜ、どんな気持ちで、このバグを発症したのか。そのすべてを。


 晃の容姿が変わったという、そのたったひとつの症状を手がかりに、パラメータを自在に操作できるということまで見抜いて……。


 執念のなせる技だった。

 生半可な気持ちでは、ここまでのことはできないだろう。


「嫌われたなぁ……」


 対象のない言葉。

 バグなのか、『俺』なのか、それとも『僕』か……。


 もしかしたら冬華は、それらすべてを嫌っているのかもしれない。

 バグに対してはもちろん、『俺』に対してもいい感情は抱いていなかった。


 その『俺』と『僕』が同じ存在だと知られた今――彼女が『神尾晃』という存在そのものを嫌っていたとしても、おかしくはない。


(しかたないか……。僕は冬華を、だましていたんだから)


 とにかくこうなったからには、完全にこの学園にはいられなくなった。


 手荷物くらいは昨日のうちにまとめてある。

 あとは着替えるだけ……だったのだけど、おおきすぎるサイズのせいでやたら手間取ってしまう。


(こんなことなら、一着ぐらいはちいさい服も用意しておくんだった)


 そんな後悔をしながら着替え終えた晃は鞄を手に取り、部屋の扉を開けた。すると。


 ……こつん。


 扉が、なにかに当たった。


 すこしだけ開いた隙間から廊下を覗くと、誰かが横たわっていた。

 子供のようにちいさくて細い、二本の足が見えて……。


「ま、まさか……!?」


 その足から腰、さらに顔へと視線を移し――晃は急いで扉を閉めた。


 信じられない。

 けれど、まちがいない。

 ……冬華が、廊下で寝ていた。


「ん……。あき、ら……?」


「……っ!?」


 晃は扉を閉めた。

 そして侵入を拒むように扉によりかかり、ばくばくと激しい胸を手で押さえる。


 扉の向こうで、人の動く気配がした。寝ていた冬華が起き上がったのだろう。


 そして聞こえる、こんこん、というノック。


「……晃、起きてるんでしょ?」


 なんで? どうして!?

 冬華がこんなところにいるはずがない。その理由がわからない。


 晃の思考は混乱して、なにも答えられなかった。


 するとマーシャが、晃の前に姿を現した。


「……答えてやってくれないか? 神尾晃よ」


「ま、マーシャ……」


「昨日、あなたがバグを修正したあと。しばらくしてから冬華は目覚めて、どうにか動けるくらいに回復した。そして、我はあなたからの言葉を伝えた。すると冬華は……」


「わかってるよ。僕のバグを修正したんだろ?」


 晃の言葉にうなずくマーシャ。


「まだ疲れが残っているにもかかわらず、だ。それでも冬華は修正をやり遂げ、この部屋の前であなたを待った。どうしても言いたいことがある……と。だから頼む。答えてやってくれ」


 そう言い残して、マーシャは消えた。


 それと入れ替わるように、扉の向こうから冬華の声が響く。


「今、扉を開けたわよね? なにも答えないなら、無理矢理にでも部屋の中に入るわよ」


 低く抑えた声だった。


 でもすくなくとも、怒っているようには聞こえなかった。

 むしろ落ち着いているようにすら聞こえる。


 いきなり怒鳴られることも予想していただけに、意外だった。

 とりあえずそれだけは安心して、さっきからの疑問を口にしてみる。


「ど、どうして、ここに……?」


 すると扉の向こうで、はっ、と息をのむ音が聞こえた気がした。


「……その声。ちょっと大人っぽくなったけど、わたしの知ってる晃の声……。まだどこか信じられなかったけど……ホントのホントに、あの晃なのね?」


 びっくりするほどの、やさしい声。


 結局質問には答えてもらえなかったけれど、どうやら怒ってはいないらしい。

 晃はおそるおそる、もうひとつの疑問を投げかけてみる。


「怒って……ないの?」


 数秒間の沈黙。


 重い空気にいたたまれなくなってきた頃、冬華は「そりゃあね……」と、ぽつりとつぶやいて話し始める。


「……マーシャから話を聞いてすぐに、あんたがあの晃なんだって気付いたわ。バグの力で別人になりすまして、いい気になってたんだってわかったときは、正直怒ったわよ。最低男の正体が晃だったなんて、信じたくもなかった。だまされたって、そう思ったりもしたわ。怒りにまかせてバグを修正してやろうとしたもの」


 ――ああ、やっぱり。


 晃の胸が、すこしだけ痛んだ。


 知られるわけにはいかない。

 だましたくて、だましたわけじゃない……。


 そんな言葉も、今となっては言い訳にしかならない。

 どんな理由があったとしても、これは自分のしたことの結果なのだから。


 晃は黙って、冬華の次の言葉を待ち……冬華は「でもね」と、どこかやるせない声でつぶやいた。


「報告書作りながら、なんでそんなバグを発症したのか考えて……ようやく気付いたの。晃は晃で、ずっと苦しんでたんだ――って。晃はきっと、自分自身の能力値を変えられるんでしょ? そんなバグを発症する理由は単純……自分自身を変えたいからよ」


 そう。晃は忘れていた。


 バグが修正されるということは、晃がどういう状況でなにを願ったか、それがすべて解明されるということ。


 晃の抱えた、悩み、苦しみ。

 バグを生み出す要因となった、心の弱さを。


 冬華は僕のことをわかってくれたんだ――そう思うと、なんだかすこしだけ嬉しくもあった。


「わたしにとって、晃はずっと憧れの存在だったの。なんにでもがんばって、それがダメだったとしても、すぐに次のことをがんばって……。でもわたしは、晃の後ろに隠れてばかりで。臆病でなにもできないわたしには、その背中はすごくまぶしかった」


 気付くと、冬華の声はすこしだけ震えていた。


「でも、それはちがってたみたいね……。晃はそうやって、自分にも得意なことがないか、必死で探してたのよね? わたし、そんなこともわからなかった。晃は、絶対にくじけないで挑戦し続ける強い男の子だって、勝手に誤解してたの。本当は晃も、こんなに傷ついてたのに……!」


 幼さゆえの、純粋なまでの憧れ。


 そのまぶしさに目がくらみ、晃の弱さに気付けなかったことを、冬華は後悔していたのかもしれない。


 けれど――。


「……ちがう、謝るのは僕だ!」


 晃は振り向いて、扉越しに話しかける。


「僕だって同じだ。冬華になにがあって、なにを思ってデバッガーになったのか、考えようともしなかった……。完璧な『俺』を演じるために、『僕』につながるものすべてを切り捨てたんだ! 幼なじみの、冬華のことまで……!」


 晃もまた、直視しようとはしなかった。

 冬華のことを、幼なじみの冬華ではなく、デバッガーの冬華としてしか見ていなかったのだ。


 完璧な『俺』を演じるためには、幼なじみの冬華は邪魔な存在だった。

 ほんのすこしでも『僕』に戻ることは、なにより避けたかったから。


 そして、彼女の抱えた孤独と絶望には、最後まで気付けなかった。


 あの気弱な女の子が今では、別人と思えるほど強い意志を持っている。

 その間になにもないわけがない。


 それに気付かなかったのは、あえて気付こうとしなかったからだ。


 この学園における神尾晃にとっては、デバッガーとしての冬華さえいてくれれば、それでよかったのだ。


 そんな自分自身の卑怯な考えを、晃は恥じていた。


 けれど意外にも、冬華は「……そんなことない」と答える。


「晃はまちがってない。今のわたしは、晃の幼なじみの三宅冬華じゃないもの。ただの冬華よ。上級プライマリデバッガーの、冬華」


 寂しさの入り混じった声で、冬華は続ける。


「神隠しって知ってる? ある日突然に人が消えちゃうっていう、あれ。あの原因って、ほとんどが緊急停止ストップなのよ。時間の流れが止まった閉鎖空間に閉じ込められたまま、元の世界に戻れなくなっちゃって……わたしの両親もね、そうなの」


 晃の記憶が正しければ、冬華はなんの前触れもなく引っ越していった。

 さよならを言う時間もなく、いきなりに。


 不思議に思った晃は親に理由を聞いたりもしたが、教えてくれなかった。


 けれど、もし。

 その理由が冬華の両親の蒸発だとしたら、晃の親が教えてくれなかったのも納得できる。

 幼い子供に堂々と話すような内容じゃない。


 異常に青い空――ブルーバックが覆う、緊急停止ストップした世界。


 一ヶ月前のクランがそうだったように、冬華の両親もまた、ああして固まったようにして閉鎖空間に取り残されているのだろう。


「それじゃまさか、冬華が引っ越した理由って……!?」


「……そう。緊急停止ストップが起こった前後の記憶は混乱してて、よく覚えてないけどね。いったいなにを願ってこんな身体になったのか、わかってればとっくの昔に修正してるわ。でも確かなのは、わたしが起こした緊急停止ストップに巻き込まれた両親は、今もまだその中にいるということだけ……」


 そして最後に一言。


 晃を安心させるように、やさしく言葉をつむぐ。


「だから、今のわたしは三宅を名乗れないの。この症状を修正して止まった時間が動き出すまで、家族はいないから」


 名字で呼ばれるのを嫌っていた冬華。


 それがまさか、こんな悲しい理由だったとは……。


 穏やかな声の中に見え隠れする、彼女の強い意志。

 それは悲壮な決意のようにも感じられた。


「ごめんよ、冬華。僕は本当に、なにも知らなくて……」


「いいの、気にしないで。わたしだって、晃の苦しみがわからなかった。わかったときにはもう遅くて……バグを修正するしかなかった」


 扉越しということを気にせず、晃は首を横に振った。


「……しかたないよ、バグはバグ。世界に起きた異常なんだから。そんなものに頼り続けたらダメなんだって、冬華に教えてもらったよ。誰にも会わずに出ていくつもりだったけど、最後に冬華と話ができて……よかった」


 すると、すこしだけ呆れたような冬華の声が返ってきた。


「やっぱり、この学園を出ていくつもりだったのね……?」


「そりゃあね。今の僕は、みんなが知ってる完璧な『俺』じゃないから。背も低くて、なにひとつできない『僕』だもの。ここにはいられないよ」


 自嘲するようにそう言うと、一瞬の沈黙のあとに「晃のバカっ!」という怒鳴り声が響いた。


 久しぶりに聞いた気がする、いつもの冬華の声だった。


「今のあんたの身長がどれだけか知らないけど、絶対にわたしよりは高いわよ! いったいどこが不満なの!? それに――」


 聞き取るのがやっとな、消え入るような声でつぶやく。


「どんな晃でもいい。わたしは、あんたにいてほしいのよ……」


「冬華……」


 ――そうだ。

 晃は思い出した。


 この学園で最初に本音を語ってくれたのは、他の誰でもない冬華だった。


 みんな一歩引いたように接してきた。けれど冬華だけは違う。


 これだけ大勢の生徒がいる学園で、晃は孤独だった。

 それでも冬華といるときは、孤独を忘れることができた。


 それと同じように、冬華にとっての晃もまた、はじめてできた仲間だったのかもしれない。


 同じ目的を持ち、同じ立場で語ることのできる、デバッガーという仲間。


 そんな仲間との別れのときに、顔も見せないのはあまりに失礼だった。


(そうだよ。ちゃんと会ってさよならを言おう……)


 もしもデバッガーになっていなければ、今もまだバグは修正されずに完璧な『俺』でいられたかもしれない。

 けれどそのまま卒業したとしても、きっと寂しさしか感じず、なにも思い出に残らないまま卒業しただろう。


 冬華がいたから充実した日々を送り、そしてまた冬華がいたからこそ、この学園を去ることになった。


 なんとも皮肉な話だけど、やっぱり冬華は特別な存在だったのだ。


 心の中で謝罪と感謝の言葉を思い浮かべた晃は、深呼吸をひとつしてからドアノブに手をのばし――。


「きゃあっ!」


 突然、冬華が悲鳴をあげた。


「どうしたの、冬華!?」


 扉を開け放った晃は「そんな……」とつぶやき、唖然とする。


 そこは闇の谷だった。


 一面の黒の中、五メートルほど先に、ドアの形に切り取られた空間が見える。

 本来ここにあるべき廊下は、その向こうにあるようだ。

 

 けれどその廊下との間には、どこまでも真っ暗な闇が口を開けている。向こうには飛び移るしかない。

 

 ――そして。


「あ、晃……」


 冬華は断崖絶壁につかまるように廊下の端に両手をかけ、闇に落ちかけていた。

 ほんのすこしでも力をゆるめれば、今にも落ちてしまいそうだ。事態は一刻を争う。


(早く冬華を引き上げないと……!)


 でも、どうやって?


 晃は自問自答する。


 向こう側まではかなりの距離があった。

 今の晃では、無事に飛び移れる保証はどこにもない。


 部屋と廊下を隔てているこの闇は、あきらかにバグだ。

 底があるかどうか、それすらもわからない。

 万が一にも失敗して、この闇の中に落ちてしまったら……。


(くそっ! スイッチさえあれば!)


 この距離だったら、『体力』を上げれば余裕だろう――。


 とっさにそんな考えが浮かんでしまい、晃は首を振った。


「ちがう! そうじゃないだろ!?」


 困ったらスイッチに頼ればいい。

 そんな思考が染みこんでしまっている自分自身に、晃は嫌気がさした。


「た、助けて……。晃……きゃっ!」


 冬華の左手がすべる。

 右手一本では身体を支えきれない。震える指が一本、また一本と外れていく。


 迷っている時間はなかった。


「冬華、がんばれ! すぐにいくから!」


 晃はできるだけ離れると、助走をつけて駆け出す。



 スイッチがなくても構わない。

 自分の力で、自分の限界を超えるんだ!


 そうだ。僕はこうして、がんばり続けてきたんじゃないか!


 今の僕は、完璧な『俺』じゃない。

 でも、冬華がずっと憧れてくれてた、『僕』なんだ!


 僕ならできる。


 手をのばしても届かないからって、あきらめたらそこでおしまいだ!


 届かないなら――届くまで手をのばすしかないんだ!!



 その、瞬間。

 闇に向かって走る晃の全身を、光が包んだ。


 あまりのまぶしさに一瞬だけ目を閉じて――再び目を開けると、晃の身体は羽根が生えたように軽くなっていた。


 この感覚。まちがいない。

 スイッチを入れて、『体力』を上昇させたときと同じだった。


(……え? な、なんで!? バグは修正されたんじゃないのか!?)


 疑問は尽きることない。だが確実なことは、ただひとつ。


 これなら確実に、冬華を助けることができる!


 助走を終えた晃は、高々と跳躍。

 闇の谷を難なく飛び越えると、廊下側に着地する。


「っと!」


 すこし距離を飛びすぎた。冬華を飛び越えてしまったのだ。

 足先ですべるようにブレーキをかけると、その反動を利用して頭から冬華に飛びつく。


「あ、晃……。わたし、もうダメ……」


 だが冬華も限界を迎えていた。


 無情にも細い指が離れ、冬華の身体は奈落へと吸い込まれていき――。


 ヘッドスライディングのようにのばされた晃の手が、間一髪のところでその指をつかんだ。

 すぐに両手でしっかりと握り直して、軽々と冬華の身体を引き上げる。


「冬華、だいじょうぶか!?」


「う、うん。なんとか……」


 冬華の無事を確認した晃は、ほっとしながら立ち上がる。

 冬華も恐怖にすくんだ足で、それでもなんとか立ち上がり――。


「……ん?」


「え? あ、晃。これって……?」


 二人同時に気付いた。


 冬華の頭が、晃の頭のはるか下、胸の下にあることに。

 いくら冬華の背が低いとはいえ、本来の晃の身長と比べてここまでの差はないはず。


 むしろこれは、スイッチの力を使って『魅力』を上昇させた晃……完璧な『俺』と並んだときの身長差だ。

 短くまくっていた服を直すと、サイズはぴったり。


「まちがいない。力が戻ってる……」


 それなら今は、『体力』と『魅力』の代償として『知力』が下がっていることになる。


 だが、自分でも驚くほど冷静で的確な思考が、その仮説は誤りであることを告げた。


 そしてひとつの結論を導き出す。


「……いや、これはスイッチじゃない。すべてのパラメータが上昇してる!?」


 ありえないことだった。


 スイッチでは上昇させたのと同じだけ、他を低下させなくてはいけない。

 無条件にすべてが上昇することはないのだから。


 すると冬華が驚いたように目を見開いて、晃を見上げた。


「あ、あんた! その髪の色……!?」


「え、髪の毛?」


 晃は前髪を引っぱって、目の前にかざしてみる。

 その色は見慣れた黒ではなく、白髪のように真っ白……いや違う、ただ単純に色素が抜けただけではない。


 廊下のつきあたりの窓から、昇り始めた朝日が二人を照らす。

 その光を反射するように、髪の毛はきらきらと輝く。


 鮮やかな、銀髪だった。

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