冒瀆

無限といわれる神のごとく ぼうばくきわまる宇宙のなかの

華麗に群像えがきだす けんらんきわまる銀河系の

たんに明滅しつづける ゆうすいきわまる地球における

せきりようとした荒野のような せいひつきわまるへんすう

あなたはこの詩を読んでいる 虚無ほどちいさい肉体で


不滅といわれる神のごとく りようえんきわまる永遠の

幾億年の太古といわれる 天地のかいびやくよりはるか

幾千年の過去という 文化のれいめいよりもなお

幾世紀ものえいきよをかぞえた こんとんきわまる現代で

あなたはこの詩を読んでいる 刹那のような生涯に


おお、虚無ほどの 刹那の命よ

無限の宇宙の枢軸が いちごうほどもずれていたら

不滅の久遠のらんしようが 一秒でさえずれていたら

この肉体で 生涯で あなたは生まれなかったであろう

無限と不滅が契りをかわした 奇跡は起こらなかったであろう


ふたつの奇跡のはざにて 産声あげた生命を

無残にさつりくなどしたり 無謀にほうてきなどしたら

聖母のような大宇宙と 聖者のような永遠を

神にほんをなすように ぼうとくするのだ 我々は

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