日替わりブレンドマスターの日々
@halunatuakihuyu
第1話 梅雨入り
昨日、雨が降り出し、私が住んでいるこの街も『梅雨入りしたとみられる』宣言が出された。
しかし、今日は、梅雨前線は南下してしまい、もうすでに、梅雨の晴れ間になってしまった。
日曜日ということもあって、私は老犬と散歩に出かけることにした。
近くの田んぼでは、田植えの準備が始まっている。耕耘機で田んぼを耕している。
そのすぐ後ろを、何処から飛んできたのか、一羽のシラサギが耕耘機の後を付いて行く。
おそらく、耕耘機が耕した土の中にいたミミズや虫たちを食べているのだろうが、ある一定の距離を保って、同じリズムで。
耕耘機とシラサギが、まるでコントでもしているように、耕耘機が止まればシラサギも止まり、耕耘機が進めばシラサギも進む。
私はなんだか可笑しくて、しばらく足を止めて眺めていた。
老犬は "いったい、何を見てるの?”と、言いたげに、私の顔を下から覗くように見上げてくる。
そんな老犬を無視して(少しは気になるけど)この長閑な田舎の風景にしばし、心を預けていたかった。
老犬はその場に座り込み、小休止。
しばらくすると、シラサギは満足したのか、一度、上を見上げと、翼を大きく広げて梅雨の晴れ間の大空へ。
青い空の中を真っ白な鳥が一羽、優雅に飛んで行った。
数日後、その場所へ行ってみると、田んぼには水が引いてあり、早苗たちが美しいほど整然と植わっていた。
風一つない梅雨の晴れ間。水面はまるで鏡のようで、近くの鎮守の森が綺麗に写っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます