けものフレンズ「IFすとーりー」
あおぞら
プロローグ
ここは一体、どこなのだろうか...
さばんなに生まれたばかりで右往左往していた頃と違い、柔らかい草は規則的に並べられたタイル張りに、昼間は暑いからと木陰に逃げなければいけなかった太陽の光は点滅する蛍光灯の明かりに、そして初対面にも関わらず優しく手を伸ばしてくれたあの子は......どこにもいなかった。
「ごめん、なさい...ぅ...っごめんね...!!」
風も全くなく、自身から漏れる嗚咽だけが辺りに満ちる。そして斜め上から落ちてくるものは...目。抱えた膝からちょっとでも顔をあげようものなら嫌でも見えてくる無機質な目、目、目。それは自分を観察する様に見下ろし、あの頑丈そうな扉を開ければ捕まえようとしてくるだろう。でもそんな事は気にせず、僕はただひたすらに今までの旅路を覚えている限り思い出していた。道中で会ったフレンズ、その一人一人が抱えていた悩み、そしてそれを一緒に解決した後に見せた幸せな笑顔。その姿を見る度に、何故だか心の奥底に不思議な気持ちが一滴ずつ溜まっていく感覚を今も覚えている。
どうして、こんなことに...
___それは、少し昔に遡る...
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