第13話チもソラも青く
太宰府
「太宰府、落ちちゃったか……まんじゅう殿も流石に間に合わなかったのかな」
「
ふっと緩んだ顔を引き締め、
「あぁ、それは厄介だね……宝玉、なるとの
朱雀天皇は頭で跳ねさせていた
「まんじゅう殿も、せいめいも向かわせてるし……
重たい話とは裏腹に、軽やかな音を立てながら
馬が男二人を乗せ、西の大地を駆ける。
一人は軽装であったが、一目で武人と分かるほどに鍛えられた
もう一人。――武人の背後にちょこんと乗せられた男。線が細く武人には見えず、慣れない馬のせいか青ざめた表情をしていた。
「
「
さらに速度を上げる。
縦揺れの馬上で
「
すると
防人達は懸命に、海賊と
「あれは
城の周りを埋め尽くす程の夥しい数。――
「そう、一刻の
その言葉に小さく
「我が名は、
鉄の鎖が満仲の手から離れ、海賊達へと蛇のように、うねりを打ちながら迅速に飛ぶ。
「なんだこの足に付いた鎖は?」
「鉄の鎖? 何でこんなものが――うわああ!」
次々と鉄鎖が巻きついた海賊達を宙に逆さ吊りにしていく、
が……いくら暴れても、刃物で切りつけようとも、鉄鎖が切れる様子はない。
「晴明、
「分かりました、眠らせるくらいなら、あっという間に終わりますよ」
晴明は言うが早いか、
「式が
暴れていた逆さの海賊達は晴明の符と
「さすがだな……さて
首を鳴らし、腕を回す。――踏み込み、一気に
「うむ! この藤太殿から貰った、
「
全く疲れを見せずに蛸を八分割にしながら、軽口を叩く。
「荒事は得意じゃないんですけどね」
そう言いつつ、一枚の式札を取り出し言葉を紡ぎ始める。
「
晴明の持つ式札がふわりと舞い、光に包まれる……光の中から
「――――!」
強い力と速さで、ずたずたに切り裂かれた肉片が舞う――
「あれは速いな、良いぞ白虎! ちょっとだけ速度を上げるか!」
「――――!」
しかし、
「美しい……あの刀は美しい……
「これで最後っと……大量に斬った斬った。
最後の
「そうですね……小さい化け
白虎の頭を数回
「太宰府の方か
満仲は北の方角を見ながら頷く。
「そういえば、
「ああ、あれな……自分の先以外なら、ちょっとだけ先が見えるらしいぞ、ちょっとだけな」
豪快に笑いながら満仲は刀を持っていない、逆の手の親指と人差し指で間を作り、説明する。
晴明は呆れた顔で天を仰ぎ見ると、
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