実録 忘れられた兵士



ギイ・サジェール著「忘れられた兵士」を読みました。

今日は雨が降ってて仕事がヒマだったんで、まぁ毎日が日曜日ですが。


なんかすごかったです。

作者は独仏国境アルザス地方出身で父はフランス人だけど、母親がドイツ人という

微妙な立ち位置の人間であり、17歳になる目前の1942年末にドイツ国防軍に志願入隊し、

東部戦線で散々な目に遭って帰ってきます。


散々な目に遭ってはいますが、

それでも、彼は生きて帰って来れただけ、過酷な戦場で死んでいった兵士たちに比べれば幸運な方なのでした。

最初、本書の題名の「忘れられた」っていう言葉の意味が本気で分からなかったですが、読んでるうちに理解しました。

彼は自由と正義の戦後フランス社会では無かった事にされた、生ける黒歴史だったのです。

1945年に戦争は終わりましたが、この本が出版されたのは1967年になってからです。

当然、インテリ気取りの評論家達が本書と著者を

「裏切り者」だの「ナチズム信奉者」だのと批判しました。

でも彼は戦ったのです。

彼は窮乏状態の中で恐怖に支配された状況下、戦争を生き延びたのです。

途中、多くの友達や、尊敬する上官が死んでいきます。

彼は何日も風呂に入ってない不潔な腹ペコ状態で悲しむのです。

この事実に対して、評論家達は自分たちの口撃が鉛玉に比べて全くの無力である事を知るべきです。



詳細は読んでみてください。

特に、反撃される恐れのない平和愛好家に向かって

「平和を願うなら戦争を知るべきだ」

とか言ってるそこのお前、

特にお前みたいなPCに齧り付いてるしか能の無いシケたオタク野郎に強くお勧めします。


もちろん、ネトウヨ風情が本書を読んだところで内容とか作者の意図を理解できない、というか

そもそも文字数が多くてフリガナが振ってないので読めないのは知ってますが…




閑話休題。

米国製の戦争映画はけっこう見ましたが、

とても気分悪いですね。

外国にピクニックに行って、キャンプファイヤーと花火を堪能してきたみたいなノリが最高に気持ち悪いです。


著者ギイ・サジェールは本書の中で人間のダメっぽい所を、批判を恐れず触れました。とても勇気の要る行為だと思います。

それに較べて、米国製の戦争映画はまるで(程度の差こそあれ)英雄の活躍を描いた漫画のようです。


まぁアレっすよ、今となっては彼ら米国人にとっての戦争は、その程度のお気楽なモノだったのでしょうが。

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