劇画 野望の王国

ネットの評判通り、ツッコミどころ満載で笑えました。

でも、私には主人公である橘兄弟の熱い絆を描いた物語だと感じました。


それから登場人物の口から語られる「大衆」への支配手法が現政権のやり口と妙にオーバーラップするところがありますね。

最後の敵が新興宗教の教団であるところも示唆に富むものです。

作者である東大教養学部出身の雁屋哲、法学部の人に何か恨みでもあるのでしょうか?


しかし、そんな事はどうでもいい。

さて、この作者の経歴を見てわかるとおり、彼はインテリ左翼です。

ネット上において、自称・愛国保守主義者たちは、雁屋哲を目の敵にして批判・または嘲笑しています。

これにはおそらく、何らかの政治的思惑が絡んでいるものと思います。

もちろん愛国保守主義者がそれを理解している事は、彼等の知能程度からしてありえません。


雁屋哲はエリートです。

社会的義務から来るプレッシャーに負け、逃げて逃げて逃げまくってネットの薄暗い霧に隠れて悪口を言うしかできなくなった人とは訳が違います。


雁屋哲は左翼です。

美味しんぼ以前の彼の作品を見ると、暴力革命路線の話が多く、これが同じ作者の作品なのかと面食らいますが、それが彼の本性です。

ネトウヨが雁屋哲を叩けば叩くほど、彼はその批判を糧にして闘志を燃やします。

そして、雁屋哲はネトウヨとは違い鉄面皮で、知能が高いのです。


だが、人生の敗者であるネトウヨなどどうでもいい。

作中の登場人物ではキャリア官僚で川崎警察署長の柿崎憲の破壊力が凄まじすぎると思いました。

彼の激しさと破壊行為は、これはもう、西部警察など超越しています。

実に秀逸なキャラです。

まぁね、日本に一人くらいこういう警察関係者がいてもいいんじゃないかと思います。

みんな、もっと大らかになれよ。

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