劇画 カラテ地獄変シリーズ①
私のバイブルです。
最近は「新カラテ地獄変」まで読み進めておりまして、
あまりの残虐描写とSM描写にゲンナリきて、読むのを止めていましたが、
最近また続きをkindleで購入して読んでいます。
非常にややこしいので書いておきますが、
これは三部作です。
古い作品から順に
①「ボディーガード牙」 空手使いの用心棒・牙直人の話
②「カラテ地獄変 牙」 牙直人の少年期からボディーガードになるまでの話
③「新カラテ地獄変」 牙直人の師匠・大東徹源の若い頃のお話
です。
新しい作品ほど、過去に遡る形式になっています。
①はまだ中城健の絵も拙いし、ストーリーも当時梶原一騎神がライバル視していた小池和夫を意識し過ぎてあんまり面白くないので、まぁ、無視していいかも。
②からとてつもなく面白いです。
不幸な生い立ちの孤独な少年が空手を武器にノシ上がって行くんですが、敵がホモと変態ばっかです。
少年院のボスが、「あしたのジョー」のマンモス西にホモ属性が付加されただけの奴です。
少年院の先生方も、美少年をやたらめったらシバきます。
コレは途中から不良女子も収監されるようになったらそっちに流れたので良いですが、
それではただのロリコンです。
と言うか、この変態揃いの作中においては、ロリコンなんぞ正常の範囲内です。
少年院を出所してからも牙直人はオカマバーでホモでカツラの剣道家と殴り合いをしたり、
アメリカでもホモでアル中で脳梅毒の怪力男と戦ったりとか、すごいです。
手助けをした南米の反乱軍の将校はスパンキング・マニアで性的不能です。
基本的にストーリーは単純です。
作中、立て続けに生意気な金髪女が登場してきて、
主人公に「フン!」と言った挙句に何かの理由で、事有るごとに逆さ吊りにされ、
ムチでビシーッバシーッ!とエクストリームなスパンキングを見舞われます。
それで主人公に助けられて惚れる、と言うパターンの繰り返しなのですが、
あまりのドラマトゥルギーの頭の悪さと熱っぽさに、頭がくらくらします。
さらには、③「新カラテ地獄変」ではグラマラスな金髪美女が、
過去に自分を裏切った・これまた金髪美女を誘拐して逆さ吊りにしてビシーッバシーッとやって
有頂天で「ホホホホホ!」とか言ってたら、敵の仲間に拷問室に踏み込まれて今度は自分がスパンキングされたりと、
もうちょっと無理です、僕には思い付けませんこんなストーリー。
梶原一騎神は天才です。
同じネタを観客に飽きられた所を狙って、さらに同じベクトルのネタを被せて笑いを取るとか
大木こだま・ひびき先生の良く使うテクニックを既に80年代初頭に実用化していたのです彼は。
そう。笑えてしまうんです。
梶原一騎神は大真面目に仕事してるんですが、不覚にも笑えてしまいます。
仕事・生き方そのものが一大冗談とか、コレはヴァイオレンスに生き、ヴァイオレンスに死す男の本懐です。
この作品で、梶原一騎神は、自身を真のエンターテイナーたり得る事を証明しました。
私もアマチュアとはいえギャグ漫画家の端くれ、このように熱い劇画を書きたいのですが、
所詮小手先のギャグしか描けません。
梶原一騎先生の作品を知れば知るほど、私は彼の才能の偉大さに打ちのめされます。
よく、「漫画家は自分より頭の良いキャラクターは創造できない」とか、知能指数至上主義のインテリ気取りが他人のマンガを評して言ってますが、劇画に知能なんか関係ねぇ。
頭の中だけで仕事して、(カッとなって相手に)手を出さない奴なんざ引っ込んでろ。
いい気になってるヒマがあるならお前が書いてみろ。絶対無理だからよ。
せいぜいガストン・ゴルゴか2tガレントに掘られて女になるのがいいトコだ。
創作の面白さは知能指数に依拠した理論じゃねぇ、アツい生き様とか人生に対する態度で読者に感じ取ってもらうモンだ。
それが「感動」だ。
お前がやるか、やらないかなんだよ!
…感情的になってすみません。
「カラテ地獄変」については、まだまだ語りたいので、そのうち続編を書きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます