五月十三日。焼肉記念日。

おれはこの世界の現在・過去・未来または並行するすべての世界線に於いて、未だひとり焼肉に挑戦していないすべての生物より強い。つまり、今日、おれはひとり焼肉の経験者となったのだ。


もともとひとりカラオケなどは割と好きな性質を持っていた、しかし!ひとり焼肉はカラオケとはわけが違う。理由をいくつか列挙し、理解してもらいたい。


ひとつ、値段に5倍ほどの差がある。「よし!カラオケに行こう!」と言うのと「よし!焼肉に行こう!」では必要な実行するための力。端的に言うと金だ。それが段違いなのだ。


ふたつ、そもそも「焼肉」にはアニバーサリー属性が付いていないだろうか。誕生日、クラス会、オフ会などの非日常性の高い日に付属する食事スタイルという先入観がある。


え、そんなことないよ?って?おれにはあった。あったのだ。実際、今日もクラス会か部活の集まりめいた連中がきゃーわーひーとしておったわ。ドリンクバーを不当に占拠しやがって。コップふたつ取っといて良かったよ!!


まぁ、これでおれの中の「焼肉」という概念の強さは分かってもらえただろう。それなのに、そうであるのにも関わらず、ひとり焼肉という勇気ある行動に踏み切ったおれに拍手してくれ。スタンディングオベーションでもいいぞ。ついでに全米は泣け。


米といえばネギまみれご飯がおいしかったです。


さて、ここまで読んでこう思う方はいる。ぜったいいる。『え〜?ひとりとか、焼肉の意味なくない?』と言う一般ピーポーが。


でもさ!おれの突発的な衝動に!誰かを付き合わせるのってさ!アレじゃん!?ちがうじゃん!?それは友達付き合いとしてはおれ、正しく無いと思うの!!もっと自然から連絡取ってセットすべきことだと思うの!!友達はいるから!!ちゃんといるから!!いるよね!?


この慟哭を見たり読んだりしたおれの友達にはなんらかのアクションを起こして欲しいと願っとく。宝くじで三億に期待するくらいの、雲を掴んでちぎり取って食べて「あま〜」って思わず口から零すくらいの気分で待ってる。


おほん。では、ひとり焼肉の利点を説明しようか。


注文する際に遠慮がいらない

好きなもの食える

他人の余りをよこされたりしない

焼く係に気を使わなくていい

これオレの肉〜とかウザい輩が存在できない

火の勢いが意外に強いとびっくりできる

店員さんから「なんだこいつ」と思われることができる

ついでに他の客からも「なんだこいつ」と思われることができる


ね!まとめると、「綺羅星よろしく目立つ」ってことさ!ほんっと困っちまうぜ。何度も繰り返してたら……スカウトされちまうかもな!FF方面に。玉ねぎ丸齧り対決に出られるかもしれない。く〜〜っ、照れるぜ。


わたしとぼくとおれが焼肉たのしかったから、今日という日は焼肉記念日。


では、みなさん!よい月曜を!チャオ〜〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る