『薔薇香る憂鬱』という題を見事にいかしている、吸血鬼ものの王道を楽しませていただきました。
個人的に詩菜さんがとても切ない……よいポジションにいるキャラクターだと思います。
老いぬもの、老いるものに思いを馳せつつ、薔薇の香りの紅茶が飲みたくなりました。

祖母と呼ばれていた詩菜の正体が分かった瞬間に、大きく作品の色が変わったのだとはっきりと分かりました。
永遠の命を持つ蒼真の、悲しみを深く描きつつ、吸血鬼の不死性と矛盾しているようですがそれらが儚くて美しく、薔薇と重ねられる構成力が見事です。

最後に、自主企画への参加、ありがとうございました！

P.S.参加資格になっている、「同題異話」のタグ付けがなされていないようなので、お手数ですが、つけてほしいです。お願いします。

とても美しい文章で、引き込まれました。バンパイア物の王道設定を押さえつつ、薔薇のエッセンスはオリジナリティがありますね。素敵な短編でした。