2ページ

「・・・そうか、あの子アイドルだったのか」

 超高音質のスピーカーから流れるのは、女の子特有の甘くて可愛い声。ブックレットに書かれてある歌詞の意味は良く分からないけれど、元気で明るい曲は輝いているようにも思える。アイドルって感じがして。

 ぶつかったお詫びに貰ったのは一枚のCD。ブックレットを開くと、そこにはこれをくれた彼女が笑顔で写っていた。他にも違う色のリボンを付けた女の子が三人。

 彼女たちの顔も、グループ名も申し訳ないけれど知らない。インディーズなのかメジャーなのかも、アイドルに明るくない俺には分からないのだ。ごめんね。

 でも、彼女たちの曲を聴いていると不思議と応援したい気持ちになってくる。出合い頭に頭突きを食らわされた出会いだったけど、これもある意味運命ってもんだし。

 で、この子達っていったいどんなアイドルなんだ? と考えつつスマホをスイスイ。

 疑問に思った事をすぐに調べられるって本当に文明の利器ってすごーい。

「・・・出合い頭でぶつかったのが彼女たちとの出会い・・・?」

 調べてすぐにヒットした呟きページ。

 いや、まさか、そんな売り込みの仕方、さすがにないでしょうよ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る