超出会いスポット
カゲトモ
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「きゃっ、ごめんなさいっ」
曲がり角で不意打ちの頭突き。割とマジで身長高くてよかったと自分の事を褒めてあげたい。う、ギリみぞおち避けられていて命拾い。
「い、や、こちらこそ」
出合い頭の事故ってこうやって起こるんだなぁ・・・
「ご、ごめんなさいっ大丈夫ですかっ!?」
「だいじょうぶだよ・・・」
だからそんな泣きそうな顔で頭を下げないでくれ。
「でも、私すごい勢いで頭突きしちゃいましたし」
自覚あるんかい。
「本当に大丈夫ですか? 救急車呼びますか?」
「え、救急車!? 呼ばなくていい、呼ばなくて! 本当大丈夫だからっ」
腹に女の子の頭突きを食らわされたくらいで救急車乗るのとか恥ずかしすぎるわ! それ以前にこんなことで救急車使ったら怒られるわっ!
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫」
「うぅ石頭でごめんなさいっ」
「本当に大丈夫だから謝らないで」
女の子に凄い角度で謝られたら凄く目立つから! お兄さん目立っちゃうから!
深呼吸をばれない様に息を吐いて笑って見せる。
「こっちこそよそ見していてごめんね。ケガは無かった?」
主に打ち付けた頭とか首とか。
「あ、大丈夫です」
「そう、それならよかった」
これが若さか、それとも石頭のおかげなのか。
「でも荷物は大丈夫? なんかすごい音していたけど」
「あ、これは」
ぶつかった瞬間、俺の情けない声と一緒にガシャンッという音が聞こえていた。女の子には少し無骨なデザインの黒い肩掛けバッグには何が入っているんだ?
「壊れたりしていない?」
もし壊れていたりしたらどうしよう。ぶつかったのは俺にも責任がある訳だし・・・。
「あぁ多分大丈夫です」
「多分? 壊れていたら大変だし、中身見てもらえる?」
壊れ方によっちゃ弁償の可能性も無くはない、よな・・・俺の方がうんと年上だし。
どうか高価なものじゃない事を祈る・・・
「あー」
あー・・・?
「大丈夫ですね!」
「よ、よかった」
一瞬不安過ぎったけど、良かった! うん、これでこの場を去れるね!
「じゃぁ本当にごめんね、それ「ちょっと待ってくださいっ」
え、えぇぇぇ~なにぃぃぃぃ???
「これ、ぶつかってしまったお詫びですっ!」
「え?」
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