四神の日常
かわらば
復活
真っ暗な闇の世界。自分の意識のみが空間に満ちる世界。不意に光が見える。光はだんだんと強くなり、それとともに意識の密度は増して行く。眩しい。そして意識が一点に纏まり…
「くっ…ああぁ…」
声が出た。
若干働いてないような頭で辺りを見回すと、ゴツゴツした地面から生える虹色の結晶を囲むように3人の少女が座っているのが見える。私もその結晶を囲んでいる位置関係にあるので、合計4人。
自らの姿も確認する。赤を基調とした服、そしてヒトの四肢。腰のあたりからは孔雀のような輝く赤い尾羽。
私は…スザク。パーク守護四神獣の1柱。担当は南方。
「遅かったわね。目が覚めたらゲンブをあっためてちょうだい。相変わらず体温が上がらないと動きが鈍くなるみたいだから」
全身を青で包んだ少女の1人が言う。
彼女はセイリュウ。私と同じくパーク守護四神獣の1柱にして東方の守護者。
セイリュウに言われた通り、私は黒服に銀髪の少女の前までいって、手のひらから炎を出す。
彼女はゆっくりした動きで炎の前まで行き、手をかざして火に当たる。
彼女の名前はゲンブ。パーク守護(略)の北方担当。
元々のモチーフが亀と蛇だからなのか、寒いのが苦手らしい…にしては前に雪原にいたし、北方担当なのになぁ。
「いやー、この姿も久しぶりだねぇ!力とか落ちてないかな?」
そう言って手を握ったり伸びをしたりしてるのはビャッコ。彼女も同じくパーク(略)の西方担当。
「…本当に、ヒトは撤退したのね…しかもそれからかなり時間が経ってる…」
セイリュウが麓を見下ろして呟く。
眼下には、草木生い茂る密林から、不毛の砂漠まで、さまざまな気候帯が集まっているのが見える。
「で?」
「『で?』って何よ、ビャッコ」
「いや、パークからヒトが撤退するとき、私達火口フィルターの制御石板にされたはずじゃん?それからかなり時間が経って、私たちが復活したのはなんでなのかなー、と。あと、これからどうするべきか、とかね」
「…そうね、一度皆の意見を聞きたいわ」
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