食物連鎖の頂点で

窓雨太郎(マドアメタロウ)

プロローグ

 昔、と一口で言ってしまえばいつにでもなるので、まあ詳しく言うとすれば、人間が誕生たんじょうする前くらい昔。

 この場合の人間は「ホモ・サピエンス」だけではなく、「ネアンデルタール人」だとか「北京ペキン原人」だとか、マイナーなとこでは「ホモ・アンテセッサー」なんてのもいるし。まあ全部引っくるめて「アウストラロピテクス」ぐらい前だ。

 じゃあ話を戻そう。

 昔、広大な自然の中で生き物は生き生きと生きていた。……生き物が生き生きと生きる……。

 プフッッ。

 ゴホン。今度こそ話を戻そう。

 そんな太古たいこの昔から、生き物は存在そんざいしていたわけで。……ってか、こんな事私たちでもわかるんだから人間のあなた達には言う必要は無いか。

 てかこの喋り方キツい。いつもの私でいいよね?

 んじゃあ。


 生き生きと暮らしていたのに、ある日人間が出てきやがったわけ。

 人間はどんどん他の生き物を殺して食べた。さっき言ったマイナーな「ホモ・アンテセッサー」なんかは食人をしてたらしいけど、私には関係ないないわ。

 人間は進化するごとに木を切って、石を砕いて、他の生き物を殺した上に住処すみかも奪った。

 今や私達は森とか山しか住む場所は無いの。熊とかは強いし、たまにわざわざ町に行くらしいけど、皆殺されて悪い知らせだけが帰ってくる。いやまあ、私たちからしたら熊も人間も敵なのだけれど。


 さて、ここまで言えばわかって来るでしょ? え、わからない? そんなんじゃ国語のテストで「作者の気持ちを読み取りましょう」の問題、○貰えないわよ。

 仕方ないわね。教えてあげる。


 私は可愛いうさぎのゼセーヌ。うふん!

 可愛い姿してるけどこう見えて、あんたら人間の事殺す気満々よ。

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