崔浩先生の「厨二のための孫子」講座

ヘツポツ斎

第01話 前口上

読者諸氏よ、ごきげんよう。

崔浩である。


此度の作者の要請は……孫子?

またずいぶんベタなところに

踏み込むものだな。


と言っても、

戦術論戦略論ではない、ようである。


「孫子で名君暗君テンプレ

 作れんじゃん! ヒャッホー!」


とのことである。またこのノリか。

まあ良い。



当講座は、諸氏の現実運営の

成功になぞ興味はない。

あるのはただ、


「カッコいいリーダーも

 カッコ悪いリーダーも好きです!

 描こうぜリーダーキャラ!」


に尽きる。


ではその辺りを語る前に、

まずは孫子について紹介いたそう。



○孫子と戦争


孫子は、中国春秋時代の……中略……

以上より戦争学の基礎の基礎となった。

中略部は各自で調べよ。


では、これがどう

「リーダーテンプレ」と絡むのか。


孫子が説くのは


「そもそも戦争って

 国家運営において割と悪手」


と言うものである。


そんなモンやらかさずとも

勝つために頑張れよ、

えっ無理? 仕方ないなあ、

と言うノリである。


国の運営を円滑に進めるため、

戦争を上手く回す。

そのため、あらゆる記述が、

ほぼ国家運営に直結している。


ここで考えて頂きたい。

良き君主は、即ち勝つ君主である。

悪しき君主は以下略である。


お分かりいただけるだろうか。


孫子のパターンに嵌めれば

だいたい良い君主となり、

外せば悪い君主となるのだ。


ここを美味しく

いただかぬ手はあるまい。



○当講座の狙い


孫子は深淵なる書である。

何せ、知ることと実践することは

まるで違う。


この世の中には、

孫子を諳んじておきながら、

その真逆をいくものも非常に多い。

これを無能、と

切り捨てるのは簡単であるが、

実際の運用とは、実のところ

すさまじく難しい。


現実がある原則から外れていると

思ったら、別の原則にハマっていた、

などという事もしょっちゅうである。

何故ならば、人間が手に入れられる

情報は有限だからである。


しかし、物語書きは違う。

手許に、すべての情報を

揃えることが叶う。


いわば「食材」の揃えかたで、

明君は輝きを増すし、

暗君は暗愚度を際立たせる。


のだが、

そんな応用編はあとで考えればよい。


当講座においては

「名君/暗君あるある」からの

テンプレートを見出して

終了しましょう。


これで良いのである。



○孫子の構成と当講座の進行


次話には、サマリーを兼ねる意味で

いきなりテンプレートの全容を置く。

次々話以降が本文となるが、

まぁ、言ってみればサマリーについて

繰り返し語っているだけである。

次話で終了して頂くのもまた良かろう。


ひとまず、文字数的には

次々話以降のほうが圧倒的なので、

そちらについて書く。


順番は孫子記載順。

各話は、それぞれ

超訳→明暗テンプレ

の順で記述する。


各話にて紹介するテンプレを分類の上

独自基準で整序したものが、第二話である。


(原文訓読は、

 本講座にては割愛する)



では、四千年前の英知、

と言うよりも四千年経っても

変わらぬ衆としての人間の特性、

ふわふわと追って参ろう。



原文参照:寒泉

http://skqs.lib.ntnu.edu.tw/dragon/

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