第19話 心の様相

『心の様相』


ふわりと浮かんだ太陽を見上げ

心はほつれ

からまり、まとわりつき、

身動きがとれなくなる


西方を向いたはずの風見鶏が

東方を一瞬振り返るように

すべてを選べる訳ではないのだ


大切が何かを天秤にかけて

不均衡なバランスは

良否を示すだろうか


とりあえず太陽の向く方へ進む、進む


一日の始まりが東ならば

一日の終わりも東だというのに


愚か者は西へ、西へと向かう

ようやく辿り着いたとき

それはきっとまだ夢の途中


いつか来たはずの道を

トボトボと肩を落として歩き

大切とは何かがわからない

そんな自分を悟る


空っぽの心を空っ風が吹き抜けた

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