2ページ
「ごめんなさい、こんな言い方をしてしまって」
「いえいえ、大体みなさん驚かれますから」
マリカ君はからりと笑って言った。
「もともとあまり筋肉がつかない方なのかな、これでも脱いだら凄いんですよ?」
「それ、裏のお店で絶対に言っちゃダメですよ?」
不思議な顔をしたマリカ君が袖を捲って見せてくれた腕は、想像していたよりも締まっていて、薄い皮膚の下にガッチリとした筋肉が見て取れた。
天使の顔してちゃんと男の子に見えるのはこういう所があるからかもしれない。どこからどう見たってちゃんと男の子の腕だもの。
「けれどやっぱり意外ですね。昔からクライミングとかはされていたんですか?」
「いえ、始めたのは最近なんですけれど。友達が勧めてくれて」
「ほう、お友達が」
「はい。中学からの付き合いなんですけど、そいつは本当に身体を動かすのが好きで。スポーツも一通りやりましたよ」
「そうなんですね。マリカ君も元々身体を動かすのは好きだったんですか?」
「はい。類は友を呼ぶってのは本当みたいで。こんなに運動をするとは思っていませんでしたけど、色んなことができて楽しいです」
そう言ってにこーっと笑って見せる。可愛いだけじゃないからこそ、こんなに魅力的に見えるのかもしれない。
「私でもできそうな運動があれば教えてください。最近体力がめっきり落ちてしま「じゃぁ一緒にクライミングやりましょう!」
「え?」
「大丈夫、とても楽しいですから!」
「う、見せて頂いた画像の壁、なんだか凄く傾斜がきつかったですけれど・・・?」
「慣れれば平気ですよ! キツイのは最初だけですから!」
やめて、そんな純粋無垢なキラキラした瞳で言わないで。おじさん、本当に体力ないからっ。
せめて真っ直ぐな壁からで、よろしくお願いします・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます