直感

 竹下は捜一の机にパソコンをおき、ヘッドホンをつけ、防犯カメラの映像を見る。



「 それが一課の仕事なんですかー? 」


 後ろから二人の男が声をかけるが竹下は画面と耳に集中していたので聞こえなかったようだ。

 敢えて無視しているのかもしれないが。



「 たーけーしーたー 」


 そう言い彼らは竹下のヘッドホンを外す。

「 おっと、これは長沢さんと馬場さん。これは失礼 」


「 もう一度言うがこれが一課のお仕事なんて言ったら小さいお子ちゃまが刑事やりたくなくなりますよ 」

「 そうですよ。これは鑑識の仕事です。でもどうせ木下さんはここから証拠見つけちゃうんでしょ。どうせ 」



 ここで不貞腐れているのが捜一の中でも中心的存在である馬場健一とその相方の長沢大介。

 まあ、中心にいるのは年の功のおかげである。



「 そうですよ。少し、私の中でも徐々に犯行の様子が明らかに…… 」

「 いや、早い早い。なんだ?どういう様子なんだ?

 なあ、折角だから教えてくれてもいいじゃありませんか、竹下さん 」


 彼は勿体ぶったような、でもやはりまだ、という風に

「 しっかりと。裏が取れてからですよ 」

 そう言って席を立った。



「 では私は裏を取ってきますので 」

 そう言いお気に入りのジャンバーを着て颯爽と去っていった。



「 俺たちも……監視カメラ、見てみますか?すれば木下さんの考えも分かるのでは……馬場さん 」

 馬場の様子を伺うように長沢は提言する。


「 馬鹿者!あいつに負けてられっか。こうなったら片っ端から目撃情報探すしかねーだろ! 」

 馬場は木下を追うように外へ出て行った。


「 はぁ……まじっすか…… 」

 嫌々長沢も続いた。

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