第13話 13
「おまえは・・・大道芸人!?」
「そう、大道芸人・・・違う!」
築は、ノリッツコミができる素敵な大道芸人である。
「野盗、源夜叉のアジトに案内してやろうと言っているのだ。」
「どうして? おまえが・・・。」
「傷の手当てをしてもらったお礼だ。」
意外と築は義理堅かった。
「偽物の助けはいらない。」
蛍は築の申し出を断る。
「助けて下さい! 妹を悪の手から! 敵は妖怪3匹! 仲間は1人でも多い方が嬉しいです!」
桜が蛍の声を遮った。
「決まりだな。野盗のアジトは・・・鎌倉大仏だ。」
「長谷の寺か!?」
野盗、源夜叉のアジトは鎌倉大仏だった。
「行こう! 鎌倉大仏!」
「おお!」
「楓! 今、お姉ちゃんが助けに行くからね!」
こうして蛍たちは鎌倉大仏を目指すことになった。
「新しい親分のお出ましだ!」
こちら野盗、源夜叉のアジト。新しい親分が誕生したらしい。
「いいか? 野郎ども! 蛍ちゃんを殺せ!」
なんと新しい親分は、楓だった。
「おお!」
野盗の手下たちは蛍たちを迎え撃つ準備をする。
「そういうことだったのかなめ。」
「人間の前のお頭が頼りないのが分かったよ。」
「俺は最初から分かっていたぞ。アホ―。」
「語尾にアホ―をつけるな。アホガラス!」
「何を!? 雪オカマの分際で!?」
「ケンカは止めるなめ。」
「だから語尾になめをつけるな!」
「とばっちりなめ!?」
詠から派遣された3妖怪は仲良しだった。
「いつ蛍が光るか知っていますか?」
「はあ? 頭がおかしいんじゃないか? やっちまえ!」
「おお!」
こちら鎌倉大仏を目指す蛍たちに野盗の手下が襲い掛かる。
「蛍は悲しい時に光るんだ! 蛍光斬り!」
蛍は妖刀、蛍光刀で野党の集団に斬りかかる。
「燃えろ! 火の妖刀よ! 焼き攻め!」
築は偽物の妖刀、解説刀で野党の集団を焼きにかかる。
「ギャアアア!?」
一瞬で100人前後の野盗の手下を倒す。
「先を急ごう。」
「そうだな。」
蛍と築は何事もなかったかのように刀を鞘に収める。
「蛍! 築! あんた達! 強いよ! さあ! 妹も、その調子でパパっと助けよう!」
桜は、一人盛り上がっていた。
「そこまでなめ。」
ナメクジ先生が現れた。
「ナメクジ先生!」
「ナメクジ先生?」
「塩! 塩を巻け!」
蛍たちに緊張が走る。
「まさか!? もう何か仕込まれているのか!?」
「大正解なめ。今回は感覚がマヒして動けなくなる麻痺香なめ。」
ナメクジ先生は周囲に体が麻痺する香りを周囲にまき散らしていた。
「う、う、動けない!?」
何も知らない築は麻痺した。
「所詮は大道芸人か。」
蛍は呆れた。
「ナメクジ先生。あなたは、そんなに悪い妖怪ではないみたいだが、道を譲ってくれませんか?」
「ダメなめ。私も戦闘は好きじゃないが、お頭の命令で戦わないといけないなめ。」
蛍とナメクジ先生は戦うことになった。
「蛍の光! 俺に同じ技は利きませんよ。」
「眠り香だけでなく、麻痺香も利かないとは!?」
蛍の蛍の光は状態異常を全て無効にできる。
「いつ蛍が光るか知っていますか?」
「光りたい時に光る!」
「不正解。蛍は悲しい時に光るんですよ!」
蛍は青く光る妖刀、蛍光刀を構える。
「夏の世の光!」
「ギャアアア!?」
蛍はナメクジ先生を切り裂いた。
「傷は浅い。大人しくしておいてください。」
蛍はナメクジ先生に情けをかけた。
「アア!? おまえがケンカを売ってくるから、ナメクジ先生がやられちゃったよ!?」
「知るか!? アホは死ななきゃ治らない。アホ―!」
雪オカマとアホガラスが現れた。
つづく。
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