第3話 3

「蛍ちゃん。私たちはどこに向かって旅をしているの?」

「鎌倉。もうすぐ着くよ。鎌倉には幕府があり栄えているらしいので、人や死人の魂が集まり、死者を生き返らせる方法を知っている人がいるはずだ。」

「蛍ちゃん! 頭いい!」


物語の設定が、鎌倉時代なので、行こう! 鎌倉! になった。


「日も暮れてきましたね。」

「蛍ちゃん、今日はどこに泊まるの?」


夕焼けの中を蛍と楓と桜は道を歩いている。


「野宿。」


蛍は普通に道端で眠ってきたので野宿は慣れている。


「ええー!? 野宿!? こんなカワイイ女の子が野宿してたら、変なおじさんにさらわれていたずらされちゃうよ!?」


楓はおませな女の子だった。


「クソガキより、幽霊でもお姉さんの方が心配だ。」

「酷い!? 蛍ちゃん!?」


ショックを受ける楓。


「え!? そんなに私は魅力的ですか!? いや!? 照れますね!? 幽霊なんですけど!?」

「・・・お姉さんを何とかしてくれるかな?」

「無理。生きてる時はもう少し真面目だったのに・・・。」


照れる桜を見て、蛍と楓は呆れる。


「分かった。宿を探そう。」

「やった! お泊り! お泊り!」

「よかったね。楓。」


蛍は宿を探すことにした。


「はあ!? でも蛍ちゃんは文無しの筋金入りの貧乏だよ!? まさか!? 食い逃げならぬ、宿逃げ!?」

「妹を犯罪の共犯にしないで下さい!?」

「・・・あのな。」


姉妹は疑いの眼差しで蛍を非難する。


「野党に襲われている宿を探せばいいんだ。そうすれば宿どころか、ご飯も食べさせてくれるかもしれない。」


蛍は無料でお団子とお茶を食べ、この時代の生き方を学んだ。


「蛍ちゃん! 頭いい!」

「妹は素敵な殿方に拾ってもらったのね! うるうる。」


感心する姉妹。


「日が暮れる前に宿を探すよ。」

「行こう! 鎌倉!」

「おお!」


蛍たち一行は宿を探す。



その頃、鎌倉周辺の野盗のアジト。


「なに!? 子分が7人も殺されただと!?」


鎌倉周辺で野盗を束ねる親分、源夜叉。


「はい!? なんでも二十歳ぐらいのガキで、光る刀を持っていたらしいです。一瞬で皆殺しにされたそうです!?」

「なんだと!? 一瞬だと!? 信じられん!?」


源夜叉は子分の話に驚く。


「妖刀ですね。」


その時、アジトにいた一人の武士が声をあげる。


「先生!? 妖刀ですか!?」


腕の立つ剣客の用心棒は先生と呼ばれている。


「光る刀など普通にはありません。私が行きましょう。」

「行ってくれますか。そいつは有難い。」

「どんな妖刀か、楽しみです。」


謎の先生と呼ばれる男も蛍討伐に参加することになった。


つづく。

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