甲論乙駁~ダメ社員でも分かる!『死人になる前に』ダイジェスト~

三ケ日 桐生

1『概要~プロローグ』

甲「……テステス。マイク入ってる?」

乙「入っているどころかもう本番ですけど?」

甲「マジで?これは失礼……先ずは興味を持ってくれてありがとう、私は――」

乙「名前も言っちゃダメですって!私達の正体を気にしながら読んで頂くのもこのダイジェストの肝なんですから」

甲「あ、そっか……じゃあ、名乗らぬ無礼をお許しくださいという事で、さっそくやって行こうか。時間文字数もあんまないし」

乙「そうした方が賢明ですね。これ以上ボロ出される前に」

甲「いやあ、ただ働きってどうも気合いが入らないねー」




Q1 この作品、何?


甲「まあ本編読んでないでコレ見た皆が思う事だよね」

乙「はい。そもそも『本編と分けてダイジェストを投稿する事で新規読者を得る』という姑息な発想の元に生まれたものですから」

甲「人気がないと発想もセコくなるねぇ」

乙「それだけ必死という事で……ともかく、タイトルをご覧いただければわかる通り、この作品は現在連載中の『死人になる前に』を各章ごとに3000字で振り返る、いわばストーリーダイジェストとなります」

甲「この作品では章立てが『第○相』と表記されているけどね。本編は今、の過去編が終わって現代に戻り、これから物語が収束していく所だっけ」

乙「ええ。ですから既に読んでいただいている(極少数の)読者の方も、このダイジェストを読む事で一度物語を整理出来、クライマックスに備えて頂けるという意味合いもあります」

甲「私達も物語に無関係な第三者ではなく、がっつり話に絡むれっきとした登場人物だ。読みながら正体を予想してくれると……っていうか、君発声してない部分にものすごい自虐が含まれてない?」

乙「現在進行中の第9相を除き、プロローグの解説を兼ねた今回を入れて全9回。各回3000文字以内ですから……27000文字以内でお送りする予定です」

甲「無視かよ」

乙「本編が現在およそ42万文字ですから、約6.5%の文量に圧縮されています。これなら1日あれば今から物語に追いつけて楽しめちゃいますね!」

甲「……ていうかさ、そもそもタイトルでどんなジャンルの話か分かりにくいよねこの作品。ダイジェストやっても無駄なんじゃないの?」

乙「宣伝ツイートのサムネイルではあらすじバッサリ見切れてますからね……では今から、私達で手短に説明させていただきます」

甲「え、予定と違うんだけど……今回はプロローグの解説だけじゃないの?」

乙「それだとあまりに短いですから」




Q2 『死人になる前に』って、どんなお話?


乙「ざっくりと言ってしまえば、近未来を舞台にした『死んだ人を生き返らせる薬』のお話です。未だ未完成なこの夢の薬を巡って戦いがあり、策略があり、逃走があり、それらをひた隠す日常と忍び寄る死が描かれるエンタメ仕立てとなっています」

甲「一応、ジャンルはSF……になるのかな。現実より科学技術が進んでるし」

乙「でも、サイエンスってほど化学に焦点置いてないですよ、車が空飛んでるわけでもなし」

甲「じゃあ、モンスターパニック?タイトル通り動く死人出てくるし」

乙「別にゾンビであふれ返った街からの脱出もしないです……多くの謎を散りばめてあって、それがひとつひとつ明かされてはいきますが、ミステリーって訳でもない」

甲「あぁ、面倒くさいなぁ。一言で属性を表せないって駄作の特徴だよ?」

乙「まあまあ、各ジャンルの良い所取りしてるつもりらしいですから……そして、この物語の主人公となるのが――」

甲「『石井 達也』26歳。入社3年目でいい感じに気力を失っている、どこにでもいるダメ社会人だ」

乙「人と異なる所と言えば、過去に起きたある『凄惨な事故』の当事者であるという事と、その際に記憶の一部を失っている事ですね」

甲「あとは度を越した塩辛いもの好きである事くらい……そんなありふれた存在である彼が蘇生薬というとどう関わりがあるのか。この点が鍵となって物語は進むんだ」

乙「その点あまり突っ込むとネタバレになってしまいますね。とはいえこのお話や舞台について、これでは説明がやや不十分な感がありますが……」

甲「なーに。その為にプロローグ序章があるんだ。この世界がどういうルールで成り立っていて、そこからどんなお話が展開するのか。本編を読み進めるかどうかの判断材料は、全てそこに詰めてある」





3、プロローグについて


甲「さて、残り1200文字だし、そのプロローグのダイジェストに移ろう」

乙「かなり投げっぱなしでセンテンス跨いじゃいましたけど」

甲「説明し過ぎも無粋ってもんだ。あらすじって言っても何でもかんでもつまびらかにすりゃいいってもんじゃない」

乙「難しいな……」

甲「じゃあ、まずは私が主導しようか。まずこのプロローグだが、

ある男の逃走劇を描いたA『死線越境午前2時』

いかにもな役人と有力者の密談を描いたB『キタナイ大人の会議は踊る』

そしてある会社における研修終わりの打ち上げを描いたC『クソ飲み会エレジー』

これら3つのエピソードはそれぞれ全く別の場所、別の時間、そして別の視点の話となっている」

乙「ここだけ数字じゃないのはなぜです?」

甲「ここは順番通りに読まなくてもいいってことさ。気になったサブタイトルから目を通してみる、くらい気楽に決めてもらっていい」

乙「話の重さとしてはA<B<<<Cくらいでしょうか」

甲「まあCなんて『行きたくない飲み会あるある』みたいなもんだしね。でも話の重さと重要度が必ずしも比例しているとは限らない」

乙「それぞれにちゃんと本編を読む上で重要なヒントが隠れているんですね」

甲「単なるメインキャラクターの顔見せじゃないって事さ。因みにこれを読み終えたなら、それは即ち私達の姿を一度は捉える事が出来た事を意味する」

乙「ですね。口調や一人称はカモフラージュを施していますけど、それに惑わされずに予想を立ててみてはいかがでしょうか」

甲「私なんかは結構分かりやすいと思うけどねー……っと、ここらで文字数も丁度いいか」

乙「ええ。次は『第1相』のダイジェストにてまたお会いしましょう」


甲「それでは」

乙「また次回」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る