第4話終戦ウェハース
「それじゃあ、三枚目いってみようか! いいよね? 言えないから、はい! どーぞ」
本当に、僕の都合はお構いなしだな! でも、これで新記録達成だ。作戦から実行にいたるまで、完璧な計画。唯一の障害はのりこだけだった。そののりこが、今は黙って見ている。
「本当に、良い顔で食べるねぇ。その目が、何とも言えないなぁ」
僕は当然カリカリカリカリカリカリカリカリしているけど、ここで油断したら、台無しになる。のりこから目を離せば、またあの邪魔が入ってしまう。
え? つかまってるわけじゃないから、持ちかえればいい?
甘いよ、君。それは素人考えってもんだ。
「あれぇ。やっぱりむりだった? でも、あとちょっとじゃない! がんばるんだ! くるみちゃん! お! やるねぇ」
おっと、君も障害だったか……。まったく、君たち種族は油断も隙もあったもんじゃないね。
あぶない、あぶない。
第一考えてみなよ。
今、のりこの目の前から巣の方に行ったとしても、すぐにのりこにつかまってしまう。あんな話方してるけど、結構素早いんだ。
それにうまく帰ったとしても、全部入れたところを見せないと、のりこが難癖つけてくるよ。
これは、僕の新記録がかかってるんだ。邪魔しないでほしいな。
もうすこし、あとちょっと。
「頑張れ、くるみちゃん! もうすこし!」
うん、もう少し!
よし! 新記録たっせいだ!
「おほぉ! やるね! くるみちゃん!」
うむ、大義であった!
「そのドヤ顔が、ますますいいね! もう満足だろ? 出しといでよ。新記録おめでとう!」
ふふふ、言われるまでもない。早速、今日の成果を確認しようっと!
あ、君もご苦労さん! で? 何しに来てたんだっけ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます