第3話熱戦ウェハース
「おお! やるねぇ。これは本当に、三枚目もいけるのかなぁ?」
愚問だな、のりこ。
二枚目は、一枚目の断片に滑り込ませるようにして入れるんだ。だから、二枚目はさっきよりも少し細かくして入れる。
どうだ! もう口の中がカラカラだけど、いけるだろ!
「あは! すごいよ! くるみちゃん! その悶え方! 最高! かわいい~。両手バタバタ~、頭フリフリ~。ああ、動画とっとけばよかったぁ! でも、またやってくれるよね? そうだ! 今ここで、ばきゅーんってしたら、やってくれる?」
おい! ちょっと待て、のりこ! それはダメだ! 今は、ダメだ! 今はこれでも必死なんだ。
それに、一つずつだって、この間友達にも説明してたじゃないか。
自分で破るのか? おい! 本当にちょっとまて! 今は本当にダメだ! なに? その顔! おい! 本気なのか!?
おい! そこの君も黙ってないで、何とか言ってくれ!
「ばきゅーん!」
もう……。勘弁してくれ……。
あっ、ほっぺたにくっついた……。
「あは! くるみちゃん、最高! 悶えながら、倒れてる! いいなぁ、くるみちゃん!本当にやってくれるもんねぇ。いっぱい練習したかいがあったよ! はい、三枚目!」
おいおい、いくらなんでも早すぎるだろ? こっちはくっついたのを処理しないと押し込められないんだからな。
「あれれ? あは! 悶えてる、悶えてる~。もう、くるみちゃん、かわいい~」
ちょっと待てって言っただろ! 今度から手の中でおとなしくしてやらないからな!
落ち着け。落ち着けば、何とかなる……。頭振って、何とか移動させれば……。
よし! 何とかなった。
これで、三枚目に取り掛かれるぞ。でも、思った以上に厄介だ。何より、のりこの妨害がきつすぎる……。
「ばきゅーん!」
だから! やめろって……。新記録が、かかって……。
「もう! くるみちゃんってば! 最高!」
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