ボス:ゾン子

「死体のフレンズ(自称)」


・外見

 死体にありったけの魂を詰め込んで創られたゾンビ少女。暗黒大陸の神の名を冠し、憑依させた屍神ししん

 身長150程で痩せ型、青いワンピースを纏っている。瑞々しいもちもち肌。それでも、その顔に浮き出る死相は隠せない。腐った目をしている。

 どこからか拾ってきた猫耳を装着している。気に入っているらしい。


・ベル

 額にガムテープで貼り付けている。絶対に絶対に無くさないように重く再三に渡り厳命されている。

 絶対に、絶対に無くすなよ、絶対だからなっ!


・職業

 死体


・経歴

 暗黒大陸某国にて製造される。一応長女。

 『王』に付き従い、七の屍神の第三として活動する。とある理由から欧米日露への破壊工作を敢行。欧州に打撃を与えた後に、日本皇国の軍事の要たる『頂機関』に攻撃。あっさりとバラバラにされる。

 カンパニーとは浅からぬ因縁。本人はこれでも懲りており、今後一切接触しないように心に決めていた。

 

・性格

 ゾンビなので性根が腐っている。最近性根を叩き直されているが、反動で余計に腐った。

 飽きっぽく、一人称がころころ変わる。派手好きで自信過剰。迂闊な行動でよく足元を掬われるが、悪知恵を働かせて窮地を脱することも。虚言癖が目立つ。

 その一方で家族思い。とってもお兄ちゃん子。口を開けば憎まれ口だが、屍神の仲間たちは皆家族、と大切に思っている。

 自分本位の快楽主義者。やりたいことをやりたいようにやる。そこに善悪はなく、それこそが最大悪である。



・能力

「不死身」

 虐げられた歴史は死者の魂を孕む。死体に幾千もの魂を詰め込まれ、『神懸かり』によって一個の生物兵器として統合された彼女は、数多の魂の数だけ完全復活する。数えきれない命のストックは、実質不死身。もちろんストックが尽きれば死は避けられない。損傷が酷いと再生に時間がかかる。

 

「虹蛇の権能」

 虹の化身としての権能を行使する。原理不明の命を蝕む呪術を放ち、死体を召喚・使役する。生体以外には効果がない。呪術は死を纏うほど効果を発するが、常人にはほぼ無害。

 最近のマイブームは墓場からのイケメン漁りとスリラーダンス。


「怪力」

 肉体のリミッターを強制解除出来る。その代償に肉体が自壊するが、不死身の死体には関係ない。



・装備

「水のタリスマン」

 自らの頭蓋、効果は水の精霊への干渉。腐っても神である。周囲の水分を自在に操り、攻撃を行う。色々出来るが、水気が乏しい場所では出来ることも限られる。死ぬ気になれば自分の血液でも攻撃できるが、あっという間に干からびて死ぬ。装備なので自由に取り外し可能。


「仕込み猫耳」

 猫耳が重いと思ったら、仕込み刃が飛び出した。角みたいな感覚で刃を飛び出させる。



・口癖

「死体を検分しちゃうよん」


・撃破条件

その1

 神性を失うと書いて失神、というか滅多撃ちにされて気絶という戦闘不能。もしくはベルを無くすとか。

その2

 再生に時間を要するほどの肉体の損傷。もしくは肉体のパーツがどっか飛んでいったとか。物理的な戦闘不能。

 どちらにせよ、後日面倒見の良い兄貴が死体を回収します。


 


・参加への経緯



 P・W・カンパニー。

 屍神の本筋とは関係ないが、これまで幾度となくゾン子に破滅をもたらした相手。自業自得な部分も多々あるが、それでも十分に痛い目を見てきた。何より、彼女の兄貴分にガチに怒られたのが効いていた。

 むすっとした表情のゾン子が地面にのの字を書いている。


「カンパニー、嫌い。もう二度と関わんねえっての……っ」


 落ち込む死体少女を、骨を被った大男は無感動に見下ろしていた。叱り、痛みつけたのがだいぶ効いたようだった。

 ふと、太陽の光が何かに遮られた。野生の鳥だろうか。しかし、その灰色の鳥はゾン子があまり見たことがない種だった。


「鳩……伝書鳩か。東洋に生息する鳥類だっけ。ここじゃまず見ないな」


 物珍しさに、男が声を弾ませた。人差し指で首筋を撫で回し、慣れた手付きで細い鳥足に巻き付けられた手紙を取り外す。

 鳥足。人間の尺度だと気持ち悪がられるんだっけ、とゾン子は想いを馳せる。カンパニーに関する記憶だった。もう二度と絶対に関わらないと決意を固める。


「よくこんなとこまで来てくれたな。待ってろ。撒き餌で何かうまいもん調合してやる」


 クルッポー、と灰色の鳥が黄色い声を上げた。


(アイツ、メスか……)


 ゾン子がむっとしながら、男から手紙をぶん取る。待ってろ、と言われながらも鳩とやらは男の後を着いていった。上機嫌で甘えた鳴き声を出す灰色の鳥に舌を出す。同じように色目を使ってきたカンパニーのメスを思い出す。カンパニーなんて金輪際もう関係ない、絶対に絶対に関わり合いの持たない相手なんだとリフレイン。

 手紙を開く。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆


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☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「なんか身に覚えがないけどやったぜラッキー!!」


 悲劇はこうして引き起こされた。

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