第2話 少年の名はジルベール 竹宮恵子=著
竹宮恵子『少年の名はジルベール』小学館、2016 ISBN978-4-09-388435-8
少女漫画家の著者が、上京し、スランプを乗り越えヒット作を発表するまでを中心に書いた自伝。
少女漫画界に革命を起こそうとする著者や仲間達との交流、才能を伸ばしていくライバルや後輩たちに対する不安から体調を崩しながらも、書き続ける著者。少年同士の愛がテーマというタブーに挑みながら、自分の書きたいものを追求していく姿。まさに闘いの記録です。
創作するということの難しさや楽しさ、若い時代の熱気に読んでいてワクワクしました。そんな中から印象に残った言葉を抜粋。
(14、読者アンケート 215ページより)
” 作品というものは自分の言いたいことを主張する手段だと思っていたが、読者は作者の自己主張なんか押しつけられたくない〔中略〕実際には起きないようなことを疑似体験するうちに主人公に同調し、いつのまにか読者自身が新しい自分自身を発見している……そんな物語こそ、読者にとって価値がある。 ”
他にも「おおっ!」と刺激を受ける言葉がたくさん。少女漫画に興味のない人も楽しめると思います。
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