世界で一つの色
ぱれす
プロローグ 黒の旅
地球は暗黒期を迎え、人類は滅亡した。
突如、世界中が真っ黒い雲で覆われ、全てのシステムがダウンした。まずはそこから、崩壊が始まったのだった。全てのシステムがダウンしたという事は、交通も、政治も、世界の情報、簡単に言えばありとあらゆる情報がダウン、消滅した。
次に消滅したのは、建物だ。雲から無数の雨が降って来たと思ったら、その後ありとあらゆる建物、物体、楽に言えば物が消滅した。そして崩壊した。その雨は、全ての物を溶かしてしまう化け物だったのだ。化け物というからにはちゃんと生きているっぽい。
最後に消滅したのは、言うまでもない人間だ。人間の消滅は早かった。ほとんど消滅した後だったので、時間はかからなかった。食べ物が無くなり、餓死する人。建物が崩落し、それの下敷きになり死亡する人。システムダウンで事故死する人。一番多いのが、化け物に触れてしまいそのまま溶けて死んだという人だ。
こんな感じで人類は絶滅した、と思われた。が、しかし唯一生き残ったやつがいた。それがこの俺、フリード・ビンジャーだ。なぜ助かったのか俺にすらわからない。が、今俺にできることは、この世界で生き残ること。もちろん、今この世界で生き残っても意味がない事は分かっている。が、まだ俺以外にも生き残っている奴がいるかもしれないという非現実的な事を思いつつも旅をしている。
今、俺がいるのはアフリカ大陸北部のサハラ砂漠だ。ついこの間までは、アメリカにいた俺だが、そこからどうやって来たかというと、マジな話、いかだを作ってここまで来た。嘘っぽい話かもしれないがこれが真実だ。化け物に襲撃されると思ったが、されなかった。
俺が考えるに、だ。あいつらは水に弱いらしい。あいつらの体はほとんど水と言ってもいいぐらい水に近い。それでたぶん、地球上の水に触れることで逆に溶けるのではと考えている。ほんとかどうかはわからんがな。
とりあえず、ここまでだ。俺はこのまま旅を続ける。そして、この地上で生き残って見せる。絶対に。
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