どの薬が一番効くの?(お薬選びのお話)

 薬っていろいろな種類があるから、どれを買えばいいのか迷っちゃいますよね。


「どれでもEから効くやつが欲しいんだyo!」


 ご相談に伺うと、このようなお声を多く頂戴いたします。

 決して安くはない医薬品、しかも治れば用済み。

 お金を払うなら効果の高いものを選びたいものです。


 そんなわけで、今回はお薬選びの話をします。



 薬にはいろいろと種類がありますが、まずは結論から。


 どれも効きます。


 ……ああっ投石をやめてください! まずは私の話を聞いてください!


 痛てて……いやぁ、よく言われるんですよ。


「これって本当に効くのぉ?」


 私はいつも疑問が生じます。

 その質問に「効きません」と答える従業員がいるのだろうか、と。


 前述のとおり、安くない対価を支払うのだから、見合った効果を求める——納得できる等価交換なのかを確認するために尋ねているのですね。

 お任せください。私は漫画もアニメもシャンバラも観ました。推しはホークアイ中尉です。


 例えば風邪薬で考えてみましょう。

 基本的に、症状と成分の効果が合致していれば、つらさの緩和は感じられるかと思います。


 もしも使用して効果がない場合は「症状に合っていない」「市販の薬では効き目がないほど悪化している」あたりが考えられます。

 が……その場合は病院で診てもらうのが一番でしょう。専門的な判断は、自身や小売店では難しいものです。

 

 たくさんの商品があっても、それぞれに特徴があります。

 熱や頭痛に特に良く効く薬、鼻水・鼻づまりに効果が高い薬、などですね。

 一番つらいと感じている症状に合ったお薬を使うと効き目が高いですよ。


「だーかーらー、どの薬が何に効くかなんてわっかんないから!」

「忙しそうで声をかけにくいですぅ……」


 人手不足は身をもって実感しております。せめて夜の時間帯にあと一人いれば……おっと職場の愚痴が。

 では商品の特徴を判別する方法をひとつ、ご紹介いたしましょう。


 パッケージの表面をご覧ください。

 例えば『つらいのどの痛み、熱に早く効く』なんて売り文句が、だいたいどの商品にも書かれていると思います。


 この文言が、そのまま商品の強みと捉えてください(全部が全部じゃないですよ)

 上記の例であれば、のどの痛み、発熱に良く効く処方がされているものが多いでしょう。もちろん、他のカテゴリーにも当てはめられます。

 一人でお選びいただく際に、ご活用くださいませ。


 症状に合致したお薬を選ぶのも大切ですが、もっとも大切なのは睡眠と栄養です。


 仕事で休めない、新作ゲームを買ったから食費を削っている、近況ノートで宣言した作品投稿日に向けて、寝る間を惜しんでキーを叩いている……事情は様々。


 ですが現実世界では、薬は使用すればピロリン♪とステータスがクリアになるものではありません。あくまでも「回復を早める」アイテムに過ぎないのです。

 しっかりご飯を食べて、できるだけ寝る。これが症状改善の最短ルートでしょう。



「おや……この薬は他と比べて安価なのですが、効果のほどは?」


 ある程度の価格札が並ぶ中に、目を引かれる値段の安さ。内容量も多い。

 だけど、商品名も販売元も聞いたことない見たことない……という商品を見かけたことはあるでしょうか。


 たくさん入っていてお買い得なら嬉しいですが、安かろう悪かろうの商品は買いたくない。成分を見比べても、どう違うのかピンと来ない……。


 その商品は『PB』かもしれません。


「オラ知ってっぞ! フリーザの第一形態は53万で、変身後は超元気玉とかいおうさまカードのゴリ押しでクリアしたぞ!」


 それはBP(バトルポイント)です。誰も『ドラゴンボールZⅡ 激神フリーザ!!』の話はしていません。


 PBは『プライベートブランド』の略で、小売店も開発に関わっている商品のこと。イオングループのトップバリュや、セブン&アイホールディングスのセブンプレミアムが有名でしょうか。


 ドラッグストアにもPBを展開しているところがあり、その範囲は医薬品に限りません。

 ただ、簡単に見分けられるものでもないので、その可能性が高いですよ、という言い方にとどめさせていただきます。


 商品の価格には製造費以外に、広告費だったり人件費だったりと、様々なコストが上乗せされています。

 開発から販売店も関わることで、それらを抑えることができるのがPB商品の利点。ひいては価格を抑えることができるのです。


 そして利益が大きい。そのため、他の商品より多く陳列をしたり、目立つ値札や売り文句をつけたりしています。

 

 

「安くて感心、中身が肝心! 効かなきゃ課金はドブにボチャン♪」


 最初に発言された方、まだいらっしゃったんですか……。

 一概には言えませんが、品質には力を入れていると思います。というか、入れなければならないのです。


 製造自体に関わっている以上、万が一、商品に不備があった場合の責任は避けられません。クレーム対応や回収などのダメージはダイレクトアタックとなります。

 リターンが多い分、リスクも伴うため、生半可な商品は世に出せない。なにより看板を背負った商品。低クオリティの品物を並べることはできません。


 一方で、コマーシャルをバンバン流す圧倒的ブランド力に、安心感を覚えるのも道理。知らないメーカーだから買わないと判断する方も、もちろんいらっしゃいます。

 ネームバリューにこだわらないならば、購入時の選択肢として加えてみてください。


 薬の販売店が言うことではありませんが、一番は体調を崩さないこと。

 何かと無理を要求する世の中ですが、どうかご自愛くださいませ。

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