3月17日 ホラーという分野の話をしよう

 多分に私見が入ることを許してほしい。

 雪車町地蔵だ。


 今日は少しだけ、ホラーについて語っていく。

 ホラーとは、すなわち厭な恐怖である。

 嫌悪感を伴う恐ろしさと言い換えてもいい。


 一例ではあるが、幽霊が不気味であるとか、腐り落ちたゾンビに吐き気を催すとか、サメが襲ってきて錯乱するとか、そういうものがホラーである。

 ジャンルとしては、あくまでどうしようもない恐怖ということになるが、これを要素の一つとしてみると、ずいぶん趣が違ってくる。


 怖いものを撃退する爽快感を味わうためのホラー。

 恐怖現象を笑い飛ばし滑稽に貶めるホラー。

 記号的なモンスターと和気あいあいするホラー。


 こう言ったものも、便宜上……と言うよりは事実上の大多数の意味において、ホラーという扱いになる。

 見たら発狂とか、触れれば死ぬとか、どうあがいても絶望とか、そういう理不尽を描くことは、このサイトでは事実として難しい。

 書いて書けないことはないし、一定の評価を得るすべもあるだろうが、それでも主流ではない。


 単なる物事を面白くするエッセンスとしてのホラーというのが、多くの人が求めているものだ。

 それをことさら残念がるほど、ねじけた考え方をしているつもりはないが、一抹のさしみさもある。

 そりゃあ寺生まれのTさんは面白いが、それだって怖い話が先にあって、その恐怖を台無しにするから面白いのである。


 下地となる、純粋な恐怖というのは、年々減少している。

 需要がないというのはもちろんあるだろう。一線級の方々はそれでも書いているという意見もあるだろう。そもそもニッチな分野だというのは重々承知の上だ。


 けれどもまあ、寂しいのである。

 ただただ怖い。

 どうしようもなく恐ろしい。

 そういったものが姿を消していく様に、哀切を覚えるのだ。


 図らずもぼやくような話になってしまったが、けっして私は悲観しているわけではない。

 どれだけかすんでしまおうが、どれほど薄くなっていこうが、ひとが恐怖を忘れるということはない。

 どんなに感覚がマヒしたところで。

 恐怖は、必ず人間に牙を剥くのである。


 そういったところで、本日はおしまい。

 おひらきということで。




(テラーとホラーは違うのか?)

(割と違いますね。心霊現象と人間の方が怖いぐらい違います)

(人間が怖いも一分野だよな)

(相互理解が難しい以上、同族とはいえ他人ですからね。そりゃあよくわからないものは怖いですよ。それでは、アデュー!)

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