11月2日 漂流物を求めて

 ドリフターズ!

 雪車町地蔵だ。


 読者諸氏はシーグラスをご存じだろうか。

 ビーチグラスという言葉のほうが、聞き覚えがあるという方もいるだろう。

 瓶などのガラスの破片が、海の中で研磨されて打ち上げられたものを、こう呼ぶ。


 角などはほとんどなくなっており、曇りガラスのように光沢はない。

 淡雪のような見た目をしている。


 子どものころから、浜辺や波打ち際に転がるシーグラスが好きだった。

 浜辺には古銭だったり古い時代の装身具だったりも埋もれていたので、実際宝の宝庫だった。


 シオマネキが一斉に大きなハサミを振る姿を見ながら、夕焼けにかざしてみたシーグラスは、ひどく美しいもので、いまでも記憶に焼き付いている。


 そんな思い出に突き動かされたからだろうか。

 久々に浜辺に出てみたのだが……いやぁ、寒い。

 めっちゃ寒い。秋でしょ、いま秋でしょまだ? ちょっと寒すぎない?


 早々に収集を諦めて逃げ帰り、あったかいお茶を嗜む。

 そのあと、子どもらが集めたというシーグラスを見せてもらい、変わっていないなぁとほっこりした。


 ところでシーグラスの中には、貴重品として取引されるものもある。

 読者諸氏も、いっぺん探してみてはどうだろうか。

 結構楽しいことを、保証しよう。

 以上!



(瓶詰で売ってるよな、シーグラス)

(あれは人工的なやつで、クラフトグラスっていうんですよ)

(へー)

(まあ、見分けるには簡易な顕微鏡がいるんですけどね。それでは、アデュー!)

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